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幸村×女主
幸村死ネタ


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―貴方の為ならなんだってするから










誰も居なくなった戦場に
ただ横たわった赤




「嘘よ」

「ね?何寝てるの?」

「帰ろうよ」






既に冷たくなった身体に縋りつく。

首だけ守ったって意味が無いのに



「約束、したじゃない?」




血に濡れた頬を擦る。
それは彼の血なのか別の誰かかなんてわからなくなっていた。




「嘘吐き、嘘吐き」




握り締めた拳で胸を叩く。
いつもなら笑って痛いというのに




「幸村」




貴方の為に沢山修行して、貴方を守れるほどになったのに




「こんな、ことって」




何時の日か約束した、みんなが笑って過ごせる国は叶えてくれないの?




「なんであたしなんか、庇ったのよ」




あたしは戦女だ。
主君を守らなきゃいけないのに




「結局守られちゃった」




佐助様に怒られちゃうじゃない。

泣きながら笑えるなんて思ってなかった。



「幸村の為に沢山殺しちゃった」



きっと今のあたしを見たら幸村はいやな顔するね。
あぁ何だか死んでて良かったかなぁ?



「ねぇ?いっぱい誉めてくれるよね?」




目の前が白くなってきた。
やっぱり致命傷だったみたい。
身体の感覚が無くなってきちゃった。




「そっち、いってもいい?」




討ち死にだと言うのに、笑ってる。
幸村あんたホントバカね。

笑ってる口元に口付ける。



「幸村様、お慕い申しておりました」





ソレは、血の味だった










2009.09.09. 20:55


後書き







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