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現パロです。
テンション高めのお下品なギャグ
限りなく白に近いけど
グレイゾーンな幸村注意



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―ガタガタッ

―恨んでやる





「「ぎゃぁあああっ!」」

「も、ゆ、許してくれっ」

『もーやだぁっー!ごめんなさいっ!』





只今借りてきたDVDを鑑賞しております。
ここのところ雨ばかりで幸村の鍛練がお休みで暇潰しとして見ていたのだけれど。




『ひっ!やっ!こ、怖いっみてられないっ』

「そ、某も、怖いでござるっ」




幸村が選んできた映画がパニックホラーで2人してソファーの上で抱き合う結果に…

止めればいいとか見なきゃいいとかお思いでしょうが、小心者のあたしにとってこんな時に誰かの傍を離れるなんて死活問題に関わるくらい苦手なのです。

しかし止めたらいいと言った幸村を引き止めてしまった事をちょっと後悔。
けど怖かったし…







『な、なんでこんなの借りてきたのよっ』

「政宗殿達が一押ししていた故…」

『ひぃっ?!』

「うわっ!痛いでござるよ冥架」

『だってだって今のなんで安全な右側から出てくんのよ?!』

「確かにっ」

『あーもーっ当分お風呂も寝るのも一人じゃ出来ないっ』

「なっ、なんと」

『いないのわかるけど怖いものは怖い!もー幸村の所為だからねっぎゃっ!』




もうみてられないっ
そう思って目の前にある幸村の胸元に顔を埋めた。
人の体温って落ち着くなぁなんて思う反面
絶対に幸村に責任をとらせなきゃと思っていると
不意に映画の音が変わった。



「うっ」

『なに?なんなの、よっ!?』




画面を見れば、所謂濡れ場だ。
何故唐突にこんなシーンが入るのか理解に苦しむ。
が、そういうビデオ並みに乱れる女優を見ているとさっきまでの恐怖が薄れてきた。




『…なんかすごいね』

「……」

『あんなに激しい事しなくても』

「……」

『なんか恐がってたのが馬鹿馬鹿しくなってきたよ』

「……」

『幸村?』

「は」

『は?』

「破廉恥でござるぅううう」


―ベシッ
―ミョーン


『ゆ、幸村?』




フリーズしたと思えばいきなり再起動して素早くDVDを抜き取る幸村に唖然としてしまった。



『幸村?大丈夫?』

「大丈夫ではござらん」

『え?』





首だけこちらに向けた幸村はそれはそれは恨めしそうかつ悲壮な顔をしていた。



『も、もしかして』

「…冥架以外に起つなど不覚…」

『ち、ちょっとその発言はいかがなものかと』

「まだ修行が足りぬっ操を捧げたもの以外にっ」

『いや、男の本能だから仕方ないよ?』

「しかし…冥架」

『な、に?』

「某を叱咤してくだされっ」




ガシッと両手を握りこまれ懇願される。
必然的に上目遣いな幸村は殺人的に可愛いのだが、生憎幸村を叱咤出来るほど力もなければ言葉もない。

第一、なんのプレイだ。
(…ソレの前に股間に目がいくあたしもあたしだが)

あたしが困っているのが伝わったのかおずおずと幸村が切り出す。



「冥架?」

『なに?』

「…某、冥架にこんな映画を見せてしまったこと償いたいでござる」

『え?』

「その、先ほど湯が浴びれなくなったや寝れなくなったと申しておったろ?」

『うん』

「冥架が怖くなくなるまで某がずっと一緒にいるでござる」


『うーんでも』

「ダメでござるか?」



うっ…そんなににっこり微笑まないで断りづらいでしょ。




「怖いのでござろう?」

『う、ん』

「ならば決定でござる!」



満面の笑みで有無を言わせず決定された。
お前の言ってる事のほうが破廉恥だよとつっこむ暇もなくソファーから身体が浮く。



『え?ちょっと幸村?』

「そうと決れば湯浴みでござる!」

『ちょっと幸村っ離しなさい』

「お化けが出てもいいのか?」

『それはやだけど幸村もやだぁっ』

「往生際が悪いでござるよ冥架?」

『は、ハメたわねっ!』

「なんのことでござろう?」





洋モノホラーに
ご用心




(Hey!どうだった?)
(ばっちりでごさった!)
(やっぱりな)
(しかしそんな典型的な手に引っ掛かるとはぁ?)
(そういうとこが冥架のCuteなとこだろう?)
(うむっ)



(あんたたち恨んでやる…恨んでやるわ…)







2009.08.03. 03:44

後書き






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