「結斗〜」
「結斗」
「結斗〜」
「結斗」



『だーっ仕事しろっ!!!!!!』



 そういって、未だ手付かずの書類を机に叩きつけた。



「なんだよゆい?そんなに怒ることないだろ?」

「そうだそうだ〜!」

『ふざけないでよ一樹!同意すんな翼!で一樹はさっさと書類にサインしてよ!つか二人して抱き付いてんじゃねー鬱陶しい!』



 170cmオーバーの男二人に抱き付かれて喜ぶ男がどこにいる?
 颯斗に頼まれた資料を取りに行って帰ってきたら、一樹と翼に抱き付かれた。頼んだ颯斗は居なくなっているという最悪な状態で。





『お前等自分の背格好考えなよ!いや、今生徒会の仕事中なんだけど』

「仕事?飽きたんだ」

「俺は休憩ー」




 確かに発明家な翼は休憩は必要かもしれないし、まず置いといて、問題は一樹だ。



『一樹、飽きたってなんだ?』

「お前が居なかったからなんかやる気が失せたんだ」

『…一樹』

「…可哀相な物を見るような目をするなゆい。まぁ冗談はさておき、今日受領しなくてもいいやつばっかりだったしな」

『急じゃなくても、仕事は仕事、だろ?』

「あぁでもな」




 不敵な笑みを浮かべた一樹に嫌な予感がする。
近づいていた身体を一歩引こうとした。




『っわ?』

「結斗どこに行くんだー?」

「翼そのまま捕まえてろよ」

「ぬいぬいさー!」

「え?あっ離せ翼」





 不意を突かれた。
がっしりと掴まれた手に抵抗する気力が削がれる。



『…なんだよ?』

「いいや」

「結斗?」

『翼?うわっ?』

「ここ皺よってるぞ?」

「ぬいぬいのバカー!今俺がぎゅーってしたかったのに」

『痛い、痛いって一樹』

「お前さ」

『何?』

「も少し力抜けよ?」

「ぬーん。そーだぞゆいゆい」

『力入れさせてるのは誰だよっ!』







生徒会と俺






((俺達))
(お前らなぁ!)
(おやおや、みなさんお仕事はどうしたんですか?)
(((颯斗!)))
(助けてっ俺)
(会長も翼君も何度言ったらわかるんですか?)
(すまん)(そらそら怖い…)









2011/06/01


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