Clap
Thank you.









⇒BSR政宗 (現パロ?・男主)







 黒雲特有の光が轟音と共に空を照らす。



「また落ちたな」

「そーだね」


 窓際に凭れかかる政宗を横目に真っ黒な雲を見つめた。



「すげぇなやっぱり」

「そーだね」



 楽しそうな政宗にふと過去の事が過った。




「政宗」

「Ah?」

「昔、お前雷が怖いって泣いていたよな」

「なっ…」




 外を見ていた政宗と目が合う。
その表情は困惑と恥ずかしさが混ざった何とも言えないものだった。




「鳴るたびに俺に抱きついてきたよな」

「…What?んな昔の事なんか忘れたぜ」

「なんで今じゃこんなにケロッとしてんだっけな?」



 考え込むとさらに複雑そうな政宗が寄ってきた。



「本当に忘れちまったのか?」

「何を?」




 聞き返した瞬間、部屋中が光に包まれる。



「っ?!まさ」

「ん?いいから黙ってろ」



 光に乗じて政宗に抱き寄せられ口づけを交わしていた。
雷が生き物のように咆哮するように凄まじい音が身体に響く。
しかし、それよりもきつく抱きしめられて心臓がバクバクしている。



「政宗、放して」

「駄目だ」

「もう光ってないし、さ」

「お前が、昔、雷に浚われそうになったから」

「は?」



 それだけ言うと、また少し抱きしめる力が強くなった。
政宗の肩越しにまた空が光った。

 じんわりと政宗の体温を感じる。
昔。こんなことがあった。そんな気がした。



「政宗、俺はお前の傍にいるから」

「……」

「約束する」

「…Ha、また同じこと言われたぜ」

「え?」

「いいや。お前らしい」

「覚えてないけど?」

「別に問題ないからいい。それに俺も克服できたしな」

「んー?」

「俺がいいって言ってんだからいいんだよ」

「ん?!ちょまさっ」




 顎を掴まれ、また唇が触れた。
政宗の顔を見ればにやりとした笑み。
そして、雷がまた光った。




かみなり

キス




(ねぇ?結局何があったの?)
(すげぇ雷雨の日に川に猫助けにいって死にかけたんだよ)
(マジで?)
(あぁ。あんときは死ぬかと思ったぜ)
(政宗ありがと)
(…そう思うなら今色々返してもらうぜ)
(え?ちょ、まっ…)












2011/07/29 19:47


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