捨てられたスニーカー
置き去りにされた時間
飾り付けた言葉さえ
左腕の涙
理性を詰め込んだ前屈み
産声をあげる事すら
種すら残さず燃え尽きろ
戻った色と消えた光
月はただ物憂気に微笑む
枯れ草ばかりの鉢


黄金色の呪文
ちっぽけな手の平
緩やかに絞まる首
星の向こうへ連れて行って
空を掴め
続いていくから目を開けて
些細な言葉
求めたのは傷跡
闇に口付けて
影法師のかくれんぼ


埋もれて鳴いた
ねぇ気付いてよ
吐き気が形になる前に
君が恋しい
渡せないから返せない
潰れてしまいたい
その愛が恐い
あなたが欲しかった
似過ぎた腕
指先は赤く爪先は黒く


刺さった矢を抜いて
いつだって力だけ空回りする
月が造る海
腐ったレールの向こう側
降り積もった塵
ちぎれた腕を握っていた
影は君だけを切り裂いた
深紅の記憶
運命なんか捨ててよ
悪夢が全てを染め上げる


隣にいるのは私じゃなかった
濡れた道
退屈そうに世界が座る
この世にただ二人
夕暮れが動き出す
ちいさな秘密
千切れた心を追い掛けた
真似事の自意識
届かない扉が閉まる
笑顔とオイルの匂い



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