兄さん参上




Air:「おーい。晩飯の仕度手伝ってくれ!」


「「はぁいよ〜」」


Cherry:「…チッ…」

Air:「…ん?何だろう今の舌打ち。幻聴かな?」

Earth:「兄貴…いい加減ポジティブシンキングは止めようよ。」

Kuite:「見てるこっちが悲しくなってくるよ…。」

Zimm:「…ち、チェリーさん、お手伝いしましょうよ。僕も何かやります」

Cherry:「…ツィン君が言うなら…仕方ない。…手伝ってやる、馬鹿兄」

Air:「ああ、今日も妹の優しさが兄ちゃんをえぐる…」


Tiela:「私も手伝うぞ、エイル」

Air:「…ティーラ…。お前料理できないだろ

Earth:「野菜切るだけで自分の指を輪切りにしたりねー

Tiela:「…」

Kuite:「肉切り分けるだけなのに手の甲切り裂いたりねー


Air:「…というわけで、お前に刃物は持たせられん。具材切るだけで死なれたら俺は自殺する」

Tiela:「ならば、玉葱などの皮を剥くくらいならいいだろう。刃物は使わないぞ」

Air:「…まぁ、それくらいなら」


Chardin:「お、なんや面白そなことやっとるね」

Noel:「………」

Air:「ちょうどいい。お前らも手伝え、居候」

Chardin:「あんちゃん、もーちっと優しゅう言うたってぇな」

Air:「うるさい、その空いた右目にジャガイモ詰めるぞ

Kuite:「うわ、えぐい…。」


Cherry:「調子込むな、糞兄」

Air:「ぐぶっ…」


Noel:「…私はパスだ」

Earth:「え、何でさ。」

Noel:「自分で言うのも何だが、料理なんてものはやったことがない」

Air:「ならいい機会だろ。はい、参加決定」

Noel:「…」

Chardin:「うわ、強引なんわ嫌われますよ…」

Air:「うるさいぞ、白髪!」

Chardin:「…なぁ、何であんちゃんオレには冷たいん?」

Air:「うるさい、馬鹿力。お前のせいでどれだけのものが壊れてると思ってんだ」

Kuite:「エイル兄…。口動かすのもいいけどそろそろ始めようよ…」

Cherry:「さっさとしないと、手伝わない」

Air:「あ、ごめんよ、手伝って下さい」

Earth:「弱っ!!」


Tiela:「で、私は玉葱をむけばいいんだな」

Kuite:「じゃあ僕はお湯沸かすよ」

Earth:「んじゃ俺とチェリーとツィンはジャガ芋と人参の皮むきやるか」

Zimm:「分かりました」

Cherry:「ん」


Chardin:「オレは…」

Air:「福神漬け買ってこい」

Chardin:「……ほんま冷たいわ…」

Air:「さっさと行け。一時間は帰ってくるなよ」


Kuite:「(福神漬け買うだけでそんなに…。)」

Earth:「(ドンマイ、シャル。)」


Noel:「…で、私は?」

Air:「ルーを刻んでくれ。それくらいならできるだろ?」

Noel:「承知した」

Air:「ちょぉ、待ち!!

Noel:「何だ」

Air:「その持ち方は殺人仕様かっ!?

Earth:「…刃物振り回すより料理の一つや二つ作れりゃモテんのに。って、うわっ!!」

Noel:「…………。」

Kuite:「ま、待った!なんでこんなとこまで刀持ってきてんの!」

Noel:「どこで必要になるかわからないだろう」

Kuite:「と、とにかく、刀はしまって…。包丁の使い方は僕が教えるよ」

Air:「(血の気が多いな…。)どれどれ、ティーラはどうだ……って、なんだこりゃあぁあ!!」

Tiela:「…ぬ、玉葱は剥くと赤いのだな。」


「「んな訳あるかっっ!!!!」」


Tiela:「む?」

Air:「どうやったら素手で出血沙汰になるんだ!?」

Tiela:「知らん」

Earth:「…自分の指見てみろって」

Tiela:「?…おお。」

Kuite:「自分の指引っ掻いてたんだね…不器用さを超越してるよ……」


Air:「…もういい、ティーラはテーブルを拭いててくれ…。俺は過労死しそうだ…。」

Tiela:「…かたじけない…」


Zimm:「ジャガ芋20個剥き終わりましたよ〜!」

Cherry:「ツィン君、上手い」

Zimm:「皮剥きは好きなんです。職業柄」

Noel:「…(皮むきの仕事…?)」


Air:「さて、んじゃ野菜を炒めるか」

Kuite:「任せといて」

Zimm:「じゃあ、僕らはお皿用意してますね」

Cherry:「手伝う」

Zimm:「あ!ありがとうございます」


Air:「………。」

Earth:「…兄貴。目がすわってる」

Kuite:「嫉妬だね」

Air:「ああ、羨まし過ぎる…。」

Noel:「…あんたが好かれない理由、分かる気がする」

Air:「…何だろう。この放置プレイ」

Earth:「ただシカトされてるだけだよ

Kuite:「ああ!?傷口に塩ぶち込んでどうすんの!」

Noel:「…何だか…同情するな…。」

Kuite:「いや、しなくていいから!」


Air:「…よし、美味しいカレーを作ろう!」


Noel:「立ち直り早いな」

Earth:「いつものことだからな」

Kuite:「あ、そろそろ煮えるかな」

Air:「んじゃ炒めた肉入れて。茹だったらルー入れてくれ」

Kuite:「了解〜」


Earth:「暇だな…」

Noel:「………」

Air:「おい、ここはトレーニングルームじゃないぞ。スクワットするな」

Noel:「……暇だ」

Air:「だから仕事をあげにきたんだっつの。そろそろ出来るから水と飯よそれ」

Noel:「…あんた人使い荒いな」

Air:「お前が暇って言ったんだろうが!!

Noel:「騒ぐな。妹に嫌われるぞ」

Air:「………。」

Earth:「あ、静かになった」


Chardin:「今帰ったで〜」

Air:「…一時間経ってないぞ」

Chardin:「福神漬けに一時間もいらんて。あんちゃん、カレー出来るんやろ?」

Kuite:「エイル兄、出来たよ〜!」

Air:「…お前タイミングいいな…狙っただろ」

Chardin:「やだなぁ、フツーに買うて来ただけやて」


Earth:「んじゃカレー分けるか」

Chardin:「あ、オレ大盛頼んます〜」

Air:「いや、お前は米粒でいい」

Chardin:「酷ぉっ!!」

Cherry:「さっさと座れ、屑兄」

Air:「すいません」


「「「いただきます!!」」」




end



←目次
[]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -