04
「へぇ、それでロイド達はここに来たって訳か。」
俺は5人と一緒に遺跡の奥へと歩いて行くなかでロイドの話(時々ジーニアスの説明が入った。)を聞いていた。彼の話の限りだとどうやらこの5人は再生の神子コレットを中心に世界再生の旅をしているらしい。
「彼女が再生の神子か…」
思わず後ろを歩くコレットを見る。コレットの方は突然ルクラスが振り向いてこっちを見たのでどうしたのだろう、と首を傾げる。その姿があまりにも普通の少女のようで俺はクスリと笑った。
「なぁ、皆。」
ロイドの一言でルクラスを含むロイド以外の全員が彼へ視線を向ける。一番前を歩いていたので必然的にロイドは振り向き、皆の足は歩くのを止めた。
「ルクラスも世界再生の旅に来てもらわないか?」
どう考えたらそうなるんだロイド…
「ロイドが良いなら私も良いよ〜。」
「う〜ん…ロイドとコレットが決めたならボクも構わないけど。」
さっそく3人が賛成。というかコレット、それで良いのかと少し考えてしまうが話は進んでいく。
「私は賛成できないな。」
「私もよ。ルクラスはどうなの?」
大人2人は反対。まぁ予想できたことではあるけど。
「そこで俺に振るのかよ…俺はコレット達に協力したいけど。」
「ほら、ルクラスだってこう言ってるんだし、良いじゃんかよ〜。」
「あら、ディザイアンの手先かもしれなくてよ?。」
「だったら初めに会ったとき、真っ先にコレットを狙うだろ!!」
ああ言えばこう言う。ロイドとリフィルの口論が始まり、なんとなくそれを眺めていた。その時、視線を感じて後ろを向くとクラトスと目が合った。
「お前はロイドに加勢しないのか?」
「まぁ、できればって話だしな。良いなら協力は惜しまないし、無理ならスッパリ諦めるさ。」
「…フ、傭兵らしくない言葉だな。」
「世界が救われるんだしな。たまにはボランティアでも良いんじゃないか?」
そう言って笑ってみせるとクラトスはそうか、と言ったきり黙ってしまった。口論の決着がつくまで話す気は無いらしい。
少ししてロイドがキラキラした顔で俺の方を向いた。その後ろには疲れた顔のリフィル。どうやらリフィルの方が根負けしたらしい。
「先生がルクラスも来て良いってさ!!良かったな!」
「そうか。ロイド、ありがとう。」
そう言うとロイドはへへ、と嬉しそうに笑った。
「あとはクラトスだな…」
「その必要は無い。私はルクラスも同行して構わない。」
意外な言葉だったらしく、ロイドは目を見開いた。
「だってさっき反対だって…」
「何だ、連れていきたいのではなかったのか?」
「そ、そんな訳ねぇだろ!!」
「ならばもういいだろう。だいぶ遅れてしまった、先を急ぐぞ。」
そう言うとクラトスはスタスタ歩き出した。
「おい、待てって!ま、そんな訳で今から仲間だ。よろしくな、ルクラス!」
「よろしくな。さて、もう行かないとクラトスに置いていかれるぞ?」
そう言って俺は走りだした。ロイドもあ、と気付いて全力疾走を始めた。
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