交響曲の願い(TOS小説) | ナノ

20

人間牧場の中をあちこち破壊しながら彷徨いていると突然出口が塞がれた。術技を使えばなんとか壊せるので気にせずに進撃を続ける。

「あなたは…!」
「ニールか。…閉じ込められたのか。」
「はい。ですが助かりました…パルマコスタ軍が動き出しています。あなたは早く神子様のところへ!」
「分かった。後は頼んだぞ!」

正面の入り口までの大体の道のりを教えたあと、周りを見渡す。ディザイアンから頂戴したソーサラーリングを使うとあっさり出口を作ることができた。これなかなか使えるよなぁ…ロイドが面白がるのも頷けるし。









突然、マナが大きく膨れ上がった。どこかで戦闘があっているのだろう。

「ロイドたちか…?方向はあっちだな」
「待て!逃がすな!!」
「…っ、魔術か。」

運の悪いことに怪我をしていた方の腕をアクアエッジがかすった。塞がっていた傷がまた開き、じくじくと痛みを主張する。

「邪魔はしないでくれよ、バーンストライク!!」

詠唱破棄で放ったそれは威力は削がれているものの充分な威嚇にはなる。グミを口に放ってまた走り出した。間に合えばそれに越したことはないがあいつらなら大丈夫だろう。











「侵入者か!こんなところまで来てやがる…他のやつらは」
「さっき撒いたと思ったんだけどな。なかなかしぶとい奴もいたもんだ」
「ハッ、お前みたいな変わった奴そう見失うなんてねぇぞ?」

ディザイアンは嘲るようにこちらを見ている。そういえばリフィルもそんなこと言ってたっけなぁ


変わった体質。人間でも、エルフでも、ましてやハーフエルフでもない。だったら俺はなんだっていうんだ。
















そんなもの、はじめからきまっているのだから。





「あ、ルクラス。」
「やっと来たな、遅すぎだっての」
「けど動きやすかっただろ?」

機械が多く並ぶ部屋に着くとロイドたちは一ヵ所に集まって何かをしているようだった。話を聞く限りだともうマグニスは倒したらしい。

「ルクラスも来たことですし、今からここを爆破させます。」
「ちょっと待てよ。ショコラがいないぞ」
「ショコラは…ディザイアンと一緒なんだ。今ここにはいないよ。」
「せっかくルクラスが囮をしてくれてたのに…俺のせいで…」
「話は後にして!今自爆装置を起動させました。一刻も早くここから脱出しましょう」

警報装置がうるさく鳴り響き、思わず耳を塞いだ。血を流したせいもあるのだろうか頭痛まで起こる始末だ。

「…耳痛ぇ…リフィル、この騒音なんとかなんないのかよ」
「仕方ないでしょう、我慢なさい。」
「あー…頭ガンガンする。皆早くこんなうるさいとこから出ようぜ。」
「でもあちこち扉閉まってたよね…あ、ルクラスが壊してたんだっけ」
「なんでジーニアス知ってんだよ」
「あぁ、マグニスのところで閉められた扉を魔術で吹き飛ばしてたルクラスを見ててさ。」
「あー…なるほどな。とりあえず帰り道は覚えてっから安心しとけ」
「じゃあ、パッと戻れるね!」
「パッと…?」

コレットの謎発言にみな頭に疑問符を飛ばしているとしびれを切らしたらしいクラトスに急かされることになった。






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