交響曲の願い(TOS小説) | ナノ

01

ここはどこなんだろうか?
分からない。誰か教えてくれ。
この問いと答えが何度も自分の中で繰り返される。

もう一度整理してみよう。


俺はトリエットに数日間いた。
何日か前に救いの塔とかなんとかっていうものが現れて町の中は騒がしくなっていた。
近くにいた道具屋のおっさんに話を聞くと、救いの塔が現れると神子がその塔を登り、この世界を再生するらしい。
「もしかしたらこのトリエットにも神子様が来られるかもしれんなぁ。」
そう言って話を締めくくったおっさんは嬉しそうにニカッと笑った。

町を見渡すと神子と世界再生のことばかりが話題に上がっている。
それだけ神子には期待しているのだろう。
ただ、俺にはどこか遠いところの話をしている気がした。
神子はどんな人か気になったけどそんな人は多分、そうそう見れるものじゃない。
俺は俺のやることを探さないと。傭兵なんだから自分で仕事を見つけないと生きていけない。

っと、思考が脱線していってるな。元に戻そう。

で、その後2・3日町に泊まっていると町の住人の話の中に気になることがあった。それはこの近くに遺跡があるらしい。ということ。
そんなのあったかな?と思い、考えてみる。
無かった気がする。そもそも、話の中に出てきた方角は行ったことが無かった。
ならば、行ってみよう。と仕事探しを放り出して訳の分からない探求心に従った。
ここで大人しく護衛の依頼なんかを探しとけば良かった。うん。

町を出てその方角へ歩いていくと、確かに遺跡があった。しかもかなり昔のものだ。
ただ、入口が開かない。押しても引いてもいっそ壊して開けてみようかと魔術を使ってみたが、効果は全く無い。
他の入口はないかと遺跡を回ってみると入口からは見えないところに遺跡に入れそうなところがあった。かなり昔の物だし、そういう穴があってもおかしくないのかもしれない。
これはラッキー、と入ってみた時に大きな揺れが起こった。揺れる中でこれはまずいかも、外に出ようと思ったが時すでに遅し。
さっき入ってきた穴が崩れてしまい、出られなくなってしまった。


回想終了。
その後出口を探そうとしたがとにかく魔物が多い。倒すのは簡単だからいいけど、数が多い上に薄暗いからすぐに迷いそうになる。
下手に動くと迷ってしまうのは目に見えていた。

さて、どうしたものか。思わずため息が出た。
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