交響曲の願い(TOS小説) | ナノ

11

「ルクラス、話しがあるのだけれど。」
「リフィルか。どうしたんだよ?」

宿屋で休んでいるとリフィルが来た。話、か…何となく内容の想像がつくのはリフィルが鋭いからかな…

「単刀直入に言うわ。あなた、エルフじゃないわね。」

あーあ、やっぱり。
流石にリフィル相手に隠し通すのには無理があったな。
じゃ、こっちも。

「あんたら姉弟もエルフじゃないだろう?」

そう言うとリフィルは驚いたような顔をした。

「…分かるのね。」
「それはお互い様じゃないか。あんたら二人はハーフエルフ。どう、違わないだろう?」
「…そうよ。どうしてわかったの?」

リフィルは苦々しそうに言った。よっぽど差別に苦しんだのだろう。

「仕事で護衛の依頼をした時にディザイアンと鉢合わせしてさ。その時に感じたマナがリフィルたちからもしたからハーフエルフなんじゃないかな、って。」
「感じた…?」
「そう。俺はエルフやハーフエルフのようにマナの流れを感じ、読み取ることができる。」
「でもあなたはエルフでも、ましてやハーフエルフでもない。」
「そうだな。一応言っとくけど、俺はあんたらがハーフエルフだからといって差別なんてものはしない。俺にとっては人間もエルフもハーフエルフも似たようなものだしな。」
「さて、どうかしらね。…このことはロイド達には言わないでくれるかしら。」
「もちろん、隠してることをわざわざ言うほど俺もバカじゃないさ。リフィルも…だろ?」
「ええ、そうね。」
「じゃ、ほら」
「?」

そう言って俺は小指を出した。これって万国共通じゃないのかな?

「指切り。約束事といえばこれだけど…知らない?」
「知らない訳ではないけど…」
「知ってるならなんでやらないんだよ?」
「…分かったわよ」

そう言ってリフィルも小指を出した。

「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ます、指切った」

そういえば嘘ついたら針を千本飲ますってけっこう酷だよな…しないけどさ
あ、そうだ。

「せっかくの休みなんだしさ、ちゃんと休んどけよ。船に乗って疲れたんだろ?」
「…あまり気づかれないようにしていたのだけれどね」
「悪いけどそういうのには敏感なんだよ。」

まぁ俺も疲れたし、お互い自室で休もうということで(半ば俺が追い出す形で)リフィルを部屋から出した。この際ははぐらかされたとリフィルが部屋の外で言っていたのは聞かないでおこう。

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