青空颯斗 | ナノ



よいしょっと、月子は荷物を持ち上げた。軽いかなと思って持ち上げたダンボール箱だが、思ったよりも重かった。だが、今の生徒会室には月子しかいない。つまり、片付けを行うのは月子本人がやらなければならないのだ。

「しょうがないよね。誰もやらないんだから……」

重いなぁと思いながら月子は生徒会室のドアをあけようと荷物をもう一度床に置き、ドアを開く。そして、再びダンボール箱を持ち上げてそれを資料室に持って意向と歩き出した。
前方ははっきり見えるから大丈夫だ。しかし、重いため足取りがふらついている。やっとのことで資料室にたどり着く。
そして、目の前のドアを開けようとしたら、

「全く……。貴女という方は。そのような重い荷物は僕が持ちますってあれほどいいましたよね?」
「!……っ、颯斗君?」

耳元で聞こえたのは優しい彼の声。
愛しい彼氏の青空の声だった。
ひょいっと、月子が抱えていたダンボール箱を持ち上げて、青空はドアを開けてください、と月子に頼んだ。
ドアを開けてもらいどこに置けばいいのか、と月子に青空は聞いた。その辺でいいと月子が言って荷物を置く。そのまま出て行こうとした月子だが、ぐいっと腕を青空に掴まれた。
そして、青空は何も言わずドアを閉めた。

「颯斗、君……?」
「今は何も考えずに僕だけを見てください」
「えっ……どいう、こ……ん」

ふっと、顔を上げたら視界いっぱいに青空の顔が。そして、ふさがれた唇。急にされたので思わず瞳をきゅっと月子は閉じた。
離れた、と思ったらまた吸い付かれる。甘い、甘い、キスをされて。
やっと、離れたときには月子の呼吸は乱れていた。

「……どう、して…」
「お仕置きですよ、月子さん。僕に荷物を持たせてくれなかった罰です」
「でも、あの時颯斗君いなかった……」
「えぇ、でも。携帯で呼び出してくれれば僕はいつでも貴女の元へ駆けつけますよ」

だから、貴女に教え込むためにキスをします、と宣言して青空は再び月子にキスを落とした。


お仕置きのキス



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