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Fairy
「グレーイ!」
ナツとグレイは今現在、仕事「盗賊退治」に来てはぐれてしまっていた。山奥のボロ屋敷を住みかにしている、との事だったので二人で乗り込んだ。
そこまでは良かったが、盗賊の数人が盗んだ盗品を持ち去って逃げてしまった。まだ屋敷の中にも居たので、グレイはナツに屋敷の中に居る盗賊を任せて、逃げた盗賊を追い掛けていった。
屋敷の中にいた奴等を全員片付けたは良いが、グレイが中々帰ってこなかった
そこでナツは屋敷の屋根に登りグレイの名を叫ぶ様にして呼んだ
「グレーイっ!!」
その頃グレイは、逃げた盗賊を倒し、盗品を取り返したのは良いが、山の中だということを忘れていたので、足元に注意をしていなかった。
その為、熊が冬眠するために掘ったのか大きい穴に落ちてしまっていた
「…いてぇ」
グレイは直ぐに立とうとしたが足を挫いたみたいで立てなかった
「どうすっかなぁ…」
『グレーイ…』
「ナツか…。向こうは片付いたみてぇだな…よし、アイスメイク…」
「ったく…あのクソ氷どこまで行ったんだよ…」
「おーい、クソナツー」
屋根の上で一人悪態をついていると、屋敷の下から自分を呼ぶ声が聞こえ、下を見るとグレイがいた。ナツはグレイの前に着地し、早速突っ掛かる
「クソナツって何だよ!つーかどこまで行ってたんだよ」
「あー…、まぁ戻ってきたんだから良いじゃねぇか。ほら、盗品も取り返したしよ」
グレイは穴に落ちていて遅くなった、だなんて言える筈もなく話をはぐらかし、ナツに盗品を突き付ける
「おぉ…。じゃねぇよ!はぐらかすなぁ」
「うっせぇなぁ。何だって良いだろーがっ」
そう言って依頼人に報告する為、街に向かって歩こうと足を動かした時に鋭い痛みが足に走り、思わず膝をついてしまった
「おいっ!?どうしたんだよ…」
「…っんでもねぇよ…」
立ち上がろうとしたが、あまりにも凄い傷みで立ち上がれなかった
「…足、挫いたのか?」
「そーだよ…」
もう隠せないだろうとグレイは諦め正直に穴に落ち、足を挫いたと言った
「あはははっ!マジかよっ」
ナツは腹をおさえてグレイの前で爆笑している
これだから言いたくなかったんだ、と内心悪態をつく
「はー…。そのままじゃ動けそうにねぇよなぁ。よし、後ろ乗れ」
十分に笑って満足したのか、ナツは笑うのをやめ、グレイの方に背中を向けしゃがんだ
「はっ!?」
「はやくしろって。今日中に帰れなくなっちまう」
グレイは確かにそうだ、と無理矢理ナツの言葉に納得し渋々とナツの首に両手を回す
ナツはグレイの足の裏に手を回して立ち上がる
依頼人に報告し、盗品を返してギルドに帰る
帰ったらグレイは治療室に行きミラに湿布と包帯を巻かれていた
ナツは一人ギルドのカウンターに座ってグレイが戻ってくるのを待っていた
「ナーツ」
「ルーシィ」
「ねぇ、欲しい物ない?」
「欲しい物?なんでだよ?」
ルーシィが言うにはもうすぐでわかるから気にしないで、って事だけだった
「欲しい物かぁ…」
急に言われても思い付かないのは当たり前だろう。ルーシィはそれがわかったのか明日また聞きに来るから考えといて、と言い残して何処かに行ってしまった
「ナツ?」
「お、グレイ。足は大丈夫か?」
「あぁ。今ウェンディが仕事に行ってるから湿布で我慢してくれって言われたけど、ウェンディに治してもらう程の怪我じゃねぇしな」
「そっか。なぁグレイ。欲しい物とかあるか?」
「欲しい物?急に言われてもなぁ…」
「そーだ!グレイ、今から探しに行こーぜっ」
そう言ってナツは椅子から立ち上がり、グレイの腕を掴んでギルドの外に出た
「おいっ、ナツ!速度落とせ!」
「あ、わりィ」
ナツはグレイの足の事を思いだし、速度を落とす
「で、どこ行くつもりだよ?」
「その辺の店ブラブラして何かねぇか見る」
「ふぅん。あ、それならついでに寄りてぇ所があんだけど」
グレイはナツを連れて馴染みのアクセサリー店に行った
「これって…デートだよなぁ?」
「なっ!?ばっかっ!」
「へへ…かっわいーなぁ」
ナツは店の中で爆弾発言をし、グレイは顔を真っ赤にし、ナツから離れていった。ナツはその姿を見て、一人で可愛いと溢した後グレイの後を追い掛ける
グレイはあるブレスレットを見て止まっていた
ナツがグレイを見つけてグレイの隣に行ってグレイの目線を辿る
「ブレスレット?」
グレイが見ていたのは赤の宝石が埋め込まれた物と青の宝石が埋め込まれた、ペアのブレスレットだった
まるでナツとグレイの魔法を連想させるような…
「それが欲しいのか?」
「え?…いや、そーゆう訳じゃ…」
「…お前の欲しい物は俺にとっても欲しい物だかんなぁ…。ルーシィに言ってみようかなぁ」
「んだよ、それ」
グレイは怪訝な顔でナツを見るがナツは気にしていないのか、ニヤニヤと笑いながらグレイを引っ張って店を出る
「でもなぁ、折角のデートだからな。このまま帰んのは勿体ねぇし」
ナツはチラッとグレイを見る。グレイはそれに気付きどう答えるべきか迷った結果
「…そう、だな。今日は二人でどっか行くか」
グレイの思ってもみない言葉に放心しかかってしまったが、ナツは直ぐに笑顔になり、グレイの手を握って歩き出した
「おい、どこに行くか決まってんのかよ?」
「決まってる。でも着くまでの楽しみな」
ナツがグレイを連れて行った場所は海岸だった
「海?もう冬だぜ?」
「さっきのグレイを見てて思い出したんだよ。ガルナ島に行った時のこと」
ガルナ島ではデリオラを閉じ込めていた氷が溶け、その氷がウルだった。とナツは覚えて居たのでウルが居るであろう、海に来たのだ
「ガルナ島に行った時はまだ俺達付き合ってなかったしなー」
「…だから?」
「お前の師匠に報告に来たんだよ」
やっぱりな、とグレイは思った。どうせ、ろくでもない事を考えているのはわかっていたから、グレイはあまり気にしなかった
「…それに、あん時は…泣いてるお前を支えれなかった。でも、今はちげぇ」
「んなこと気にしてたのかよ…」
「俺は、泣いてるお前も好きだけど。やっぱ、笑ってるグレイが一番だからなっ」
「…そーかよ」
答えは素っ気ないが、長年の付き合いからナツはわかる。満更でも無いこと、照れているということ
「後な、グレイ。お前が隣で笑ってるだけで、俺は少しだけでも強くなれる」
「じゃあ、ずっと隣で笑っててやんよ。だから、お前もずっと隣で笑ってろよ」
「あぁ、当たり前だ!」
「俺だってお前の笑顔に救われたんだからな…」
いつも素直じゃないグレイの精一杯の言葉をナツは受け止めた
そして、二人で笑い合う
Fairy
(お前が傍にいるだけで、俺は強くなれるし、世界が変わって見えるんだ)
――
拍手ありがとうございますm(__)m
気付いた方もいると思いますが(←居ねぇよ)第一期OPのsnow fairyを題材にしてます←
詰め込みすぎて訳がわからなくなってしまった
意味不明ですみませんm(__)m
苦情は聞きません←
次のページはおまけです
この小説はフリーなので、よろしければもらってやって下さい←
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