きみは笑顔ではぐらかした


つい最近の望美はやけにそわそわしていて落ち着きがない。あまりにもわかりやすいので一部の八葉は、望美と誰かができてるんではないかと疑っている。

「君ではありませんよね、ヒノエ。」
ヒノエは読んでいた書物から顔を上げた。
「それを聞いてくるってことはアンタどもないってことだね。」
「リズ先生でもないんですよね?」
「無論」
「九郎も違うみたいですし…」
「またその話か、別に望美が誰とどうなろうが望美の自由だろ」
「そう言いながら気になるって顔してますよ、九郎。」
「な、そんことはない!」
たまたまなのか同じ部屋に有川兄弟除く八葉がいて、それぞれ思い思いに過ごしていたのだがやはりその会話に皆円を組話始める。
「はいはい、全く源氏の御大将も色恋沙汰に興味があるとは意外だね」
「ひ、ヒノエ!」
「敦盛はなんか知らねーの?」
「…すまない」
「将臣君か譲君のどっちかじゃないかな!向こうからきた訳だし元からそういう関係だったり…」
「んー…でも姫君の様子がおかしいのはつい最近だろ?あんま関係ないんじゃない?それに譲より俺の方が良い男だし?」
「俺がどうしたって?」
譲がお茶を持って部屋に入ってきた。
「譲と姫君じゃ釣り合わないって話。」
「…わかってるさ、どうせ俺は…」
マイナススイッチがONした譲は部屋の隅に行き体育座りをしていじけ始めた。
「ヒノエ、譲にそんな傷口に塩を塗るような…」
「いいじゃん、ほっとけよ。ライバルは減らしておくに限るしね☆」
「だが、しかし…」
「そうなりますとやはり将臣君でしょうか。」
敦盛の話を遮り弁慶は話始める。
「そうかもね。」
「お、みんな集まって何してんだ?」
「将臣!お前は望美と…」
「私がどうしたんですか?」
『望美(さん/ちゃん/姫君/先輩/神子/)!』
将臣と反対の入口から入ってきた望美に八葉が一斉に振り向く。

「姫君…正直に教えてくれない?お前のその綺麗な心を奪った運の良い奴をさ…」

「へ?」
「お前の好きな奴だよ、」
「え、えぇ?!」
将臣の助け舟で内容がわかった望美、顔がトマトの様に赤くなってしまった。

『望美(さん/ちゃん/姫君/先輩/神子/)!』
八葉の視線が望美へと向けられる。
「…私はみんなの事が好きなんです」
『(ズッキューン☆)』
ニコッと照れた笑顔で言う望美に八葉は見事にKOされてしまった訳で、そんな事に気付かない望美は部屋を後にしたのだった。


「あ、いたいた!今日のお昼も持ってきたよ」
「にゃあ〜」
「クスクス、美味しい?毎日隠して持ってくる甲斐があるよ!ご飯なかったらいつでもおいで。」
「にゃあご」

















<了>


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