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アナザー・企画



  恋愛脳/運命中・アスランと離別中のキラとカガリの会話


恋愛脳


カガリは泣きじゃくるカガリの肩を抱いていた。


「なぁ、キラ。
知ってるか?」
「ん?」
「恋愛しているときにさ、活性化する脳の場所があるんだって」
「へぇー。どこ?」
「覚えてない」


一か八かの賭けだった。
カガリをアスランと会わせたのは、相変わらず頭、固いよね。
僕をアスランをぶん殴ろうと思ったし。
というか殴らなかった僕って結構凄い。
妹の泣き顔を見て僕はつい先ほどのことを思い出した。


「けど、男はなぁ。
恋愛してるとき視力を司る脳の一部が活性化してるんだ」
「え?」
「男は子孫をいっぱい残したいから。
相手の健康状態・・というか健康な子供を残せるか目でチェックするんだ」
「目・・で?」


初耳だ。
というか、子孫を残すって・・。
『繁殖力が低いコーディネーターでもそういうのってあるのかな?』と僕が聞くと、
『あるだろう?男の本能なんだから』とカガリに返された。


「うん。逆に女の人は子供を産めますよって言うアピールをしているんだ」
「アピール?」
「ウエストとか、胸とか」
「うえすととむね?」


カガリはコクリと頷いた。
それらの要素で男は女を選ぶんだ。


「それは違うと思うけど?」
「・・そうなんだ!」
「??」
「お前だって、フレイにしたって、ラクスにしたってナイスバディじゃないか」


キラはそういわれてかつての恋人を今の恋人を思い出してみる。


「・・・////」
「ほらっ」
「ほらって違うー」


キラはカガリの冷めた瞳で自分を見る様子に戸惑った。


「子供を産める適齢期になるとウエストって締まって、
胸は大きくなるんだよ」
「へぇ〜、そうなんだ」


素直に関心したら、カガリに睨まれた。


「女は・・・、いいやなんかめんどくさい」
「えー、何。
カガリそれ僕が気になるところ」
「調べたらいいだろう。
どうせ暇なんだから」
「暇っていつまたオーブがザフトを戦うか分からないのに・・!」
「・・・・」
「恋をしたら活発に動く脳の場所に比べて、
逆に脳の活動が抑制されるところがあるんだ」
「?」
「批判する場所と判断する場所。
ほら、恋は盲目って言うだろう?」
「言うね・・。
てかそれ本当?」
「たぶん」
「たぶんって、何とも・・」
「私さっき、アスランに思いっきり怒鳴られただろう?」
「うっ、うん・・」


カガリの真っ赤に泣きはらした目は据わっていた。


「(まずい、まずいよ。
アスラン女の子のこういう目って一番怖いんだよ!?
僕でもフォロー出来ないよ!?)」


自業自得と言えば楽なのだが、キラは妹と親友の恋を影ながら応援していたのだ。


「つまり、批判する場所が活発になってるってことだろ」
「カ、カガリ。それはちょっと早急すぎる気がする・・」
「なら、キラお前。
ラクスを批判的に楽観的に判断できるか?」
「え?
・・・・・・・出来ないかな」
「ほら」


何がほらなのだろう。
キラはそう言いたかったが、カガリの瞳が再び涙の膜を張っていることに気づいてキラは口を紡いだ。


「・・・どこで、間違ったのかな」


カガリはベットに身体を預けた。
柔らかなベットはポスンとカガリの身体を受け止めた。
腕を持ち上げ左手の薬指に嵌っている指輪のカガリは眺めた。


「・・・・」
「分かってる。
私がユウナとの結婚を決めた日からだよな。
私が先に裏切ったんだから。
自業自得だ。こんなことになって」
「間違ってないよ」
「え?」
「・・・・・まだ、やり直せる。
僕たちはそれを知ってる」
「・・・・」
「君も、アスランもまだ生きてる。
何度でも君たちは話せるよ。
ふたりが『理解もできて納得できるまで』話し合えばいいんだから」
「・・・・きらぁ・・!!」


再び泣き出したカガリにキラは微笑んだ。
大丈夫、君はひとりじゃない僕たちもいるから。
だから、頑張ろう。
カガリ。
キラは泣きじゃくるカガリを抱きしめて、頭を撫でてやった。
カガリが泣きつかれて眠るまでずっと・・。


・・*・・


「カガリさんは?」
「今、寝たよ。
本当にアスランは。
今度会ったときは捻り潰してやる」
「あらあら」


ラクスは口に手のひらを当てて微笑んだ。

「それに第一、自分から呼び出したくせに。
怒って帰るってどういうことさ。
まずマナーがなってないよね」
「そうですわね」
「・・・・・・もう、随分カガリの笑顔見てないね」
「・・・そうですわね」


太陽みたいに眩しいカガリの笑顔。


「けれど、いつか。
きっと、ね」
「うん」


キラは頷いた。


「そういえば、ラクス」
「はい?」
「女の子が、恋をしているときに活発に働く脳の箇所でどこを司る場所か知ってる?」
「・・・?」
「(そりゃ、知らないよね。
後で起きたカガリに聞いてみよう)」


キラはそう考えながら。ラクスとアークエンジェルの廊下を歩いていった。


・・*・・


ちょっと偏って書いてしまいましたが、一応本当・・です。たぶん。
資料何もないけど。ちなみに女性の場合『記憶』だそうですよ。男性とどういう約束をしてそれを果たしてくれたか。
女性はそういうのを覚えていて、頼りがいが合って一緒に子供を育ててくれるかどうかを見ているらしいです。
そうらしいです。もちろんこれは考え方のひとつですので。



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