人魚 13
人魚
13
自分が愛した人と同じように、黙って消えてしまおうとした人がいた。
けど、もう大丈夫なんだろうと思う。
カガリが笑って、アスランに覚悟は出来るかと聞いたとき頷いたアスラン。
だから、もう大丈夫。
ふたりは僕達みたいに道を踏み外したりしないと・・。
「ラクス・・」
僕だったらどうしただろうか。
恋人に人魚だと告げられ、消えると聞かされる。
たぶん、いや絶対に嫌いになることは絶対にないが。
そのために、殺される行為も嫌だ。
だからといって、結婚すら許されていないあの頃の僕に、
責任が持てるわけでもない。
「アスランはどうするんだろうー?」
キラはそう考えながら、やめた。
これはふたりが下す決断であって僕が関与することではない気がする。
けどもしカガリがアスランを殺しても、
アスランと子供を作ったとしても・・。
ただ、もしふたりが相談してきてくれたら、それは絶対に力になりたいと思うけど。
放課後の空を夕日が赤く染めていた。
キラは自然と海に足を伸ばしていた。
ラクスが消えた場所をカガリに教えてもらったのはつい最近で、
僕は暇があればそこに訪れて浜辺に座り海を眺めた。
この時期の海に人は居らず、赤く染まる海を僕はじーっと見てた。
「(・・あれ?)」
キラが座る位置から少し高いところになる岩に赤い髪の少女の後姿。
「(今日もいる・・?)」
キラがここに来たときときどきその少女の姿が目に入った。
いつも後姿しか見えないが、夕日と赤い髪が交じり合って、
幻想的な世界を作り出していた。
キラはすっと立ち上がり、吸い込まれるように少女の元へ歩いていった。
「ねぇ、君。
海好きなの・・?」
僕の言葉に振り向く少女。
長い赤い髪に、白い肌。
アクアマリンのような澄んだ瞳。
それは愛したラクスと同じ色だった。
「・・・・・・・ラ・・クス・・?」
「・・・っ・・、お姉ちゃんを知ってるの?」
少女は一瞬驚いて、そう呟いた。
それが僕とフレイの出会いだった。
・・*・・
キラフレのターンです。アスランとカガリはどうしましょうか・・。
とりあえず、カガリは全てを早く打ち明けて!
後、アスランはカガリの嘘に気づいてください!
どっちが先かな〜。
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