02 同じ外部入学生






こうして、俺は受験勉強せずに永翠湘南学園に通うことになりました。
ってか、どうやって入ったら良いの?
ガチガチに門しまってるし……
開けゴマとか言ったら空くのかな?
「開けぇーーーーゴマッ」


………………………シーン


くっ、くそう!開かないじゃないか!
これ、誰か見てないよな?


キョロキョロ周りを見渡すと、一人後ろでポカーンと俺を見ている。


は、恥ずかしい。穴があったら入りたい。


そいつは膝を抱えて恥ずかしがる俺に話しかけてくる。


「あのさ、そういうやつじゃ開かないとおもう。ってか、入居予定時間より少し早いからまだ空かないよ。」


そうだったのか!なんたる失態。


「いやー、お恥ずかしい所を見られてしまいました。貴方も此処に入学するんですか?」

「そうだよ。ってか、同い年だから敬語はいいよ。」

「ラジャ。俺、篠宮 結城、宜しく。」

「村上 航平、宜しく。」
握手を交わし、話を続ける。


「入居時間っていつ?」

「えーと、10時。だけど早目に来いって書いてあるからもうすぐ開くんじゃない?」


10時か、今は9時50分だからもうすぐか。
開く時間の間、村上君と少々雑談。
話してわかった事は、村上君は特待生で授業料、生活費、その他諸々学園で過ごす間は全て保証された、超優秀者だ。俺と違い、正式に認められて入ったのだからね。あと、イケメンくんなのです。
しかも此処、偏差値えげつないから外部から入るものはごくわずかって、母さんが言ってたな。
話していたらいつの間にか時間は経っていたらしく、門が開く。

メイドさんとかでてこないのかなぁ?

とか思ってたけど現実は違い、美少年と言える顔立ちをした背の高い男の人がやって来た。

「ようこそ、永翠湘南学園寮へ。篠宮君と村上君だね?」
ニコッと微笑む姿は誰もが虜になりそうなほどだ。ホヘーと俺と村上君は美少年を眺める。

「ふふ、ついて来てください。寮の中を案内します。」

美少年が歩く後ろを慌てて着いて行く俺と村上君。後ろ姿も美少年は美少年だな。
俺にも少し分けて欲しいぜ、全く。

「此方は寮専用大広間で、此処は主に食事をする場所となっております。」
と、歩きながら案内してくれる美少年。
寮専用って事は、学校にもあるのか。流石、金持ちだな。
美少年は必要最低限の事を案内してくれた後は、寮長室へ向った。

「今は居ませんが、寮全体を管理する者が此処におりますので、困ったことがあれば此方へお願いします。」

んっ?美少年は寮長じゃなかったんかい!

「貴方は何をなされてる方なんですか?」
少し気になったので聞いて見ました。

「申し遅れました。この学園の副会長を務めます、常盤 春樹です。」
ひえーーーこの美少年は副会長さんなのか。

「あの、もう一つ聞いてもいいですか?」
副会長は言いですよと言ってくれたので質問をする。

「俺たち以外に外部生は居ないんですか?」
俺の問いに「はい」と即答される。
村上君が居なかったら俺、ぼっちだったよ!
村上君、此処に入ってくれてありがとう。

「他に質問はないですか?」と副会長の問いにないと答える。

「では、此方をお受け取り下さい。部屋のカードキーです。なくさないように大切に保管して下さい。」
カードキーを受け取ると副会長はエレベーターまで案内し、「部屋の番号はカードに書かれていますので、それでは失礼致します。」と言って出入り口の方へ歩いっていった。


802号室か〜
村上君は何号室なんだろう?
チラッと彼のカードを覗く。

「村上君も同じ部屋なんだね。行こっか!」
あ、でも、何階押したら良いんだと悩んでたら村上君が8階を押してくれた。

つか、ここ15階まであるよ。半端ないな金持ちのやることは。
エレベーターの浮遊間に若干酔いながらフラフラと部屋に向かい、村上君がキーをスライドさせて入る。
部屋にはいると、ホテルのスイートルームみたいな感じの内装だった。

「無駄に凄いな、本当に寮か此処。」

同感、二人が住むにしては広すぎる。
入って直ぐに見えるのが大画面のテレビがあるリビング。ソファーとテーブルが高そう。
リビングの左には扉が二つあって、そこにはトイレとお風呂場。右側にはキッチンのようなものがある。そしてリビングの真ん前にはテレビを挟んで扉があり、各それぞれの部屋になっていた。


「わぁ〜、ソファーふかふかだよ!村上君も座ってみなよ。あ、ベットもふかふかぁ。高反発過ぎてヤバイよ!」
あちこち駆け回る俺の肩に手を置く村上君。

「気持ちはわかるが落ち着け。とりあえず自分の部屋を片付けよう。」

「ラジャ。」
村上君なんだか兄ちゃんみたいだな。


俺の名前が書かれた段ボールが置かれている部屋に入って、片付けを始めた。



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