「よし、じゃあ次の戦闘メンバーは…俺・ラピード・リタ・ななしな」


『了か…「ちょっと待った!!おっさんは!?」







心配性





いきなり割り込んできたレイヴンを、一同は怪訝そうな顔で見つめる。


「おっさんはさっきまで戦ってたろ?そんなにはしゃぎたいのかよ」


ユーリは少し呆れたように言った。




「レイヴンも、ユーリやジュディスみたいになっちゃったんです?」


一方エステルは心配そうな表情で疑問を投げかける。

好戦的な人間が増えるのはあまり嬉しくないらしい。




「違うわよ!おっさんの目の届かないところでななしちゃんが怪我でもしたらどうすんの!!」

「「「……………」」」


全員が「またか…」という顔をしている。

言われた当の本人はと言うと…





『じゃんじゃん魔物やっつけようね〜、ラピード♪』

「ワフ!」





完全無視を決め込んでいた。




何を隠そうこのレイヴンというおっさんは、ななしを溺愛している。

ななし本人は気にしていない、というよりも気にしないようにしているようだが。





「だったら、外野から愛のナントカでも飛ばしてりゃいいだろ」

「そうね、待機メンバーが戦闘に参加しちゃいけないっていう決まりもないもの」


ジュディスもユーリに同意するように言った。


「ちょっとななし!あんたも何とか言ってやりなさいよ!」


そう言ってリタはななしに声をかける。


『そうだなぁー…』


ななしもおっさんの暑苦しい過保護っぷりにはそろそろ限界が来ていた。







しばらく考えた後、ななしはレイヴンに近寄り甘えた声で喋り始めた。


『レイヴン?』

「なぁに?ななしちゃんv」


まず手を胸のあたりでもじもじさせながら


『私…戦闘終わった後は、レイヴンの手作りスイーツが食べたいなぁ〜』

「え?」




一同もいきなり何を言い出すのかと注目している。



そして、うっとりした表情で


『毎回毎回、あまーいものが食べられたら…私すごく幸せだなぁ〜。そしたら…』





ここでトドメの上目遣い。





『レイヴンの事…惚れ直しちゃうかも』






「ま…まっかせてよ〜!おっさんの愛情たっぷりあまあまスイーツ作っちゃうわよぉ〜!!!」



レイヴンは顔をデレデレさせながら俄然ヤル気を出していた。どうやら今の会話で戦闘メンバー問題は解決したらしい。


「単純…」


カロルは可哀相な人を見る目でレイヴンを見ている。








『もちろん、レイヴンも一緒に食べるんだからね?』

「え」




「「「(鬼…)」」」




他の5人は心の中で合掌した。







END




『レイヴーン!次は生クリームたっぷりのパフェがいいな!』

「あ、あいよぉおおおおお!!!!(血涙)」




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あとがき

レイヴンが…某海賊漫画のエロコックのようになってしまいました…。






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