それは一つのキセキ | ナノ

04


「葉月さんがここにいる理由はわかりました。
それで、何があったんですか、桃井さん」


普通に馴染んでいたけどさつきはてっちゃんと同じ学校に通っていないんだった。


「…っ。どうしようテツ君…!私…っ青峰君に嫌われちゃったかもしれない…!!」


……またいつもの喧嘩か








「青峰君は今年のIH準決勝、決勝と欠場しました」
「らしいな…でもいったいなんで…!?」


「故障です。主にヒジの…」
「あーあれね、そりゃそうでしょ。練習もしてないくせに涼太との試合であんだけ派手にやったんだから」


私の言葉にさつきは俯きながら「そうなんです」と言った
私の話をきいて、てっちゃんは口を開いた


「キセキの世代と呼ばれるあの5人に弱点があるとすれば才能が大きすぎることです。
キセキの世代は全員、高校生離れした特技を持っています。けど、身体ができあがっていない高校生には変わりないため現段階ではその才能に身体がおいついていない。だから無制限に力を全開にはできません。もしすれば反動で確実に身体を痛めます」

「そしてそれは…青峰くんも例外ではなく黄瀬くんとやった時、実はかなりムチャをしていたんです。それに気づいた私はすぐに監督に試合にださないように訴えました。青峰君はひどく荒れました。が、監督は聞かず半ばムリヤリスタメンから外しました。けど、それがさっきバレて…






『さつきテメェ何勝手なことしてくれてんだよ!あんなもんケガのうちにも入んねーよ。余計なお世話なんだよ!!』

『でも…赤司くん相手ならまたムチャするでしょ!?もしそれで万が一…』
『だからそれがよけいなお世話だっつってんだよ。いつからオレの保護者になったんだ。もう二度と顔見せんなブス!!』


『もう知らない。何よ青峰君のガングロ!!』








…とゆうわけデス」


さつきがせっかく心配してくれているのに…。青峰君、本当に変わっちゃったんだな…





「…つーかさ。お前黒子が好きなんじゃねーの?だったら青峰に嫌われよーがしったこっちゃねーじゃん」


……乙女心ないやつだな。


「そうだけど…そーゆーことじゃないでしょお!?テツ君の好きとは違うってゆうか危なかっしいってゆうか、どうしてもほっとけないんだもんアイツのこと」


さつきは泣きながらそう言った


「あーあ泣ーーかせた」
「火神ヒッデーッ」
「イヤッそのっっ」
「火神君デリカシーなさすぎです」





てっちゃんはさつきの方へと近づき頭に手を乗せた


「大丈夫ですよ、桃井さん。青峰君もちょっとカッとなって言い過ぎただけです。本当に嫌いになったりしませんよ。
帰りましょう、青峰君もきっと今ごろ探していますよ」

「…テツ君〜〜〜」


さつきはてっちゃんに抱きつき、尚も頭をなでて貰っていた


「火神アレだよアレ」
「うっさいなーわかったよもう!!です」













私は少し離れたところからてっちゃんとさつきをみていた
変わったものと変わらないものがあるのかもしれない
それならば、

(……二人は変わらないものなのかもしれない)



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