池袋の日常 | ナノ


▼ Give up!!

『うーん...わかんない。無理ぽ。』

「ほらほら、俺が教えてやっからさっ!もう少し頑張れよ!な!?」


現在、私は正臣に呼ばれ、彼の家で勉強をしている。
要は来週の期末テストの為だ。
テストの結果曰く、私は頭が悪い。
世に言うバカってやつだ。


『あー、数学嫌ぁーっ!足し引き掛け割りと、あとなんかできれば生きてけるって!!』

「まぁ、それを言えばそうなんだがなー」


にっという効果音が、付くのかと思うくらいに笑う正臣。


やばい、かっこいい。


「あー、一応言っとくが、ここの答え間違っているからな?」

『え、嘘!?』


ほらっと言ってシャーペンで、間違えたところを示す。
はぁ、また間違えたわ。
もう、嫌。


「普段、頭良さそうなのに案外バカなんだなNoって」

『うっ...』

バカだという事実を突き付けられたが、意地っ張りな私は『バカじゃない!』と言ってしまう。

「ほう、ならこの問題解けるかぁ?」

そう言って、私のノートにスラスラ問題を書く。


―あ、あれ?正臣って、国語と英語メインじゃなかったっけ?


そう思いつつも、ノートに書かれた問題を解いてみる。


が、なかなか解けない。
というよりも、まず計算の仕方すら解らず、手が止まってしまう。


―ま、真面目に解らないんだが...
 え、えっと...? Xを...ん??


私が脳内で数字と闘っていると、正臣がこう付け足してきた。


「もし、この問題が解けないor間違っていた場合、お仕置きすっからなー?」


―なっ!?


やばい。これはヤバい。いろんな意味で。
そう思い、問題に目を戻す。


国語が得意だからって、文章題とかやめてくれ。
文字は得意だが、数字と絡まれるとできなくなる。


――――――

15分が経過した。
だが、未だ問題は解けず。
他の教科を勉強している正臣に目をやると、ニヒっと笑ってきた。


―っ////


かっこいい...いや、待て、それより前に問題だ問題。

――――――

あれから、5分経過。


―も、もう無理...


『ま、正臣...』


恐る恐る名前を呼ぶと、わざとらしく「解けたかー?」と聞いてくる。


―わかってるくせに


そう思っても正臣は聞いてくる。
“ギブアップ”
この言葉が、なかなか出せない。


「ほらほら、言葉にしないと分からないぜ?」


ニヤニヤしながら言う正臣におもむろに口を開けこう言った。


“ギブアップ”


End.

(最初から解らなかったんだろ?)
(だ、だって正臣がお仕置きとかいうから!)
(本気にした?)
(―こくこく)
(―ちゅっ)
(っ//////!?)



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