「ねー・・・ちょっと休憩しようよ・・・」 「またか水月!テメェこれで何回目だと思ってやがる!!」 「僕は君と違って繊細なんだよ」 一方のサスケは仲間を集めてうちはイタチの捜索にあたっていた。 水筒に口を付けながら水月が怠そうに香燐に言う。そこからまた喧嘩に発展するのをサスケと重吾は慣れたように傍観していた。 「大体君はいつまで僕達と行動するのさ。用事があるならさっさと一人で行けばいいじゃないか」 「なっ、べ、別に…だから、急ぐものじゃねぇって・・・!」 「あーあ・・・なんで紅一点が君なんだろ。ねぇサスケー、アリスは来ないのー?」 「来ない」 間延びした問いにバッサリと切り返したサスケ。項垂れて更に歩く速度が遅くなった水月に香燐が再び怒り出す。 前を歩いていた重吾は、案外あの二人は相性が良いのではないかと密かに思っていた。間違っても口には出さないが。 「うるさいな。そんなガサツだからサスケに相手にしてもらえないんだよ。少しはアリスを見習ったらどうだい?ほら、サスケの好みなんだからさ」 「おい水月、」 「うっ、うるせー!あいつはあいつ、ウチはウチだろ! それに!サスケのこっ、好み、だって!変わるかもっしれねーし・・・!」 クイクイと眼鏡を上げながら早口で言う香燐に水月はニンマリと口角を上げる。そしてサスケへ近付いてその肩に腕を回した。面倒くさそうな表情はスルーだ。 「香燐はあぁ言ってるけど?サスケ君の好きなタイプはこの先変わる予定あるのかな」 「さあな」 「そもそもアリスってどんな子なのさ。大蛇丸の所で会った時はいつも香燐が突っ掛って来てたから正直よく分からないままなんだよね」 「アア˝!?テメェがよく分からない挑発してくるからだろーが!」 「はぁ・・・少なくともお前等のように煩くない」 「だってさ香燐。君みたいな煩いのは好きじゃないって」 その言葉にまた怒る香燐を見て「怖い怖い」とおどけながらサスケから腕を外して後ろに隠れる水月。ニヤニヤとした顔を殴りたいのにサスケがいるせいで手が出せず拳を震わせる香燐を横目に、水月は「でもさ」と考えるようにして切り出す。 「サスケって一回箍が外れると恐ろしいことしそうだよね」 「は?」 「だーかーらー、何らかのきっかけで監禁とか強姦紛いの事とかしそうって意味」 「・・・下らない事考えるくらいなら足を動かせ」 「あー、話逸らした!」 「さっさと行くぞ」 まだ話し足りないといった様子の水月を置いてサスケは足早に先へ進む。 後ろを歩く香燐が頬を染めているのを見て水月は呆れた表情になった。 「君って本当にサスケのこと好きだよね。今度は何考えてんのさ」 「すっ、すすす好きじゃねーしっ! 別にっヤンデレなサスケも良いとか思ってねーしっ!!」 「えぇー…趣味悪・・・」 「だから違うっつってんだろーが!!」 一部賑やかな“蛇”はイタチを探しに再び動き出した。 [ back ] |