創設期企画小説 | ナノ


空には星が輝いている。部屋には一組の布団。
その布団ではマダラとツバキが横になって向き合っていた。

「ねぇマダラ・・・寝ても良い?」
「ま、待て、初夜だというのにあっさり寝る奴があるか」

婚儀も祝いの宴も済み正式に夫婦となった日の夜、つまり初夜である。しかしながらマダラは中々ツバキに手を出せずにいた。

「先程からずっとこんな調子じゃない。このままでは夜が明けてしまうわ」
「いや、お前が抵抗しないから・・・」
「嫌って言った時は無理矢理やったくせに」
「いざ好きにして良いと言われると逆に、な」
「天の邪鬼な人ね」

髪に指を差し入れるようにしながら頭を撫でてくれるマダラにツバキは苦笑いを零して言う。
過去に二回マダラに犯された記憶があるがどちらも最悪なものだった。しかしながら今はもう正式に夫婦になった仲である。契りを籠むことに抵抗はないし、むしろ当然の行為だ。

「・・・なぁ、本当にいいのか?」
「なぁに?駄目だと言ってほしいの?」
「いっそのことその方が遠慮なく襲える」
「わたくしは痛いのとか苦しいのは嫌よ。やるならお手柔らかにお願いするわ」
「あ、あぁ・・・」

しばらくしてようやく決心がついたらしいマダラがツバキを引き寄せて深く口付ける。ツバキもそれに応えて舌を絡めれば、マダラは少し控えめに体に手を這わせてきた。
下着の中に指を滑り込ませてツ、と割れ目をなぞればツバキの体が反応する。軽く潰したり擦ったりしていれば次第に水音が大きくなってきた。

「──指、入れていいか」
「ん・・・」

少し冷えた手が濡れた膣の入口に触れてツバキの体がピクリと動く。様子を見ながら指を一本挿入させてナカを擦るように動かせばツバキの口から甘い吐息が零れた。
二本三本と増やして刺激を与えていくうちに余裕のない表情になっていく。

「マダラ、マダラ・・・」
「大丈夫か」
「んっ、は・・・だいじょ、ぶ・・・」
「そうか。ならもっとやって良いな」
「えぇ?っあ、くっんん・・・!」

いきなり激しくなった指の動きに腰を引くがその分を詰められて再び指が深く沈む。
さっきまでの労わりは何だったんだとマダラを見上げれると楽しそうな表情が視界に入った。

「ふっう・・・ん、…っは、」
「こっちの方が俺らしいだろう?」
「ばかっ、もっとゆっくり…!ふっ、うう・・・!」
「声、抑えなくていいぞ。まぁこの方が加虐心は煽られるが」
「くっ・・・あっ、ああっ」

徐々に大きくなる声にツバキは唇を噛み締める。契りを籠むことに抵抗はないが恥ずかしいものは恥ずかしい。
グチュグチュと音を立てて掻き回されるそこにそろそろ限界を感じたツバキがマダラの腕を掴んだ。

「待って・・・もっ、無理・・・!」
「別に一度で終わりというわけじゃないんだ。イきたいならイけば良い」
「くっん・・・!やだっ、んあああぁぁ・・・!」

甘い声が上がると同時に膣がキュッと収縮する。数秒後、力が抜けて大人しくマダラの腕の中に沈んだツバキは俯いて荒い息を整えていた。
優しく頭を撫でてくれるマダラの胸元に擦り寄れば小さく喉を鳴らして笑われる。

「やはりお前は愛らしいな」
「イくのって疲れる・・・」
「だが気持ちいいだろう」
「・・・ん」
「少し休憩するか?」
「ううん・・・前戯に時間を掛けてくれたから、マダラもその、辛いでしょ・・・」
「・・・ゆっくりやる。痛かったり苦しかったら言え。止める気はないがな」
「ふふ、何それ・・・」

力ない笑みを零したツバキの膣口に膨れ上がったソレを宛がうと少し力を入れて押し入る。途端に表情を強張らせた彼女にマダラは動きを止めた。

「痛いか」
「い、いえ・・・痛くは・・・我慢できないほど痛くはないの・・・大丈夫、大丈夫だから、」
「・・・嫌だったら言え。過去の事もある・・・トラウマになっていてもおかしくない」

強姦紛いなことが二度もあったのだ。此処まできて生殺しはキツいが自分が犯した過ち。反論は出来ない。
しかしツバキは首を小さく振るとマダラの腕を掴んで「続けて」と呟いた。
再度本当にいいのか確認を取ったマダラは、気を紛らわせるように深く口付けながらゆっくり挿入していく。数十秒掛かってようやく奥まで到達した。

「っはぁ・・・入ったぞ、ツバキ。大丈夫か」
「ん、大丈夫・・・。ふふ、こんなに気を使ってくれるなんてマダラじゃないみたい」
「大分我慢しているからな・・・それに独り善がりに腰を振っても仕方ないだろう。女というのは激しくするだけでは良くならないと女中から聞いた」
「あぁ・・・あの時のがやり過ぎだという事は確かね」

ゆっくりと動き出した男根にツバキが呼吸を深くする。胸をいじられながら、口付けられながら、事を進めるうちに再び体が熱くなってきた。

「んっ、んっ・・・んっ、」
「ツバキ・・・もう少し、良いか」

刺激が物足りなくなってきたマダラがツバキの耳元で低く問う。考えるように目を泳がしてから小さく了承の意を伝えると、ナカで動いていたそれが少し激しくなった。グッ、グッ、と奥まで突かれてまた息が荒くなる。

「マダラッ・・・奥っ、んあっ、当たってる・・・!」
「あぁ・・・」

段々と高ぶってきた様子のツバキにマダラが口角を上げた。今までのような一方通行ではない、互いに愛のある行為だ。
空いている手を下に持って行ってクリを軽く擦ってやればツバキの体がビクリと跳ねる。

「ひっん・・・!あっあんっ・・・っくぅ」
「気持ち良さそうだな」
「んあっ・・・別、に・・・そんなんじゃ、」
「そうか。ならこれでどうだ」
「ああっン!?ぁああっ!まっ、て・・・!やっやああっ!」

小刻みに少し強く擦られてマダラの手を押さえる。が、それでも続くクリへの愛撫に喉を仰け反らせた。いつの間にか腰を振る速度も上がっていて、子宮口を何度も突き上げられる。

「ひぃっああああ!あんっアッ、くぅっ・・・やあああ!」
「どうなんだ、ツバキ」
「やらっ、やだぁ!ぁああっアア!」
「気持ちいいかと、ック・・・聞いている」
「良い!良いっから!擦らな、あああ!やっやめっ・・・!」

グリ、と陰核を潰されて、一際強く奥を突かれて、そしてマダラの欲がナカで弾けた。同時にツバキの身体も大きくしなる。声にならない声を上げて硬直した後、くたりと力が抜けて布団に四肢が投げ出された。

「ツバキ・・・良かったぞ」
「・・・」
「ツバキ?おい大丈夫か」
「──ぁ・・・」

放心状態に近い状態で、それでもマダラの呼びかけに小さく声を出して答える。
それから数分経ってようやく我を取り戻したらしい。恥ずかしそうにもぞもぞとマダラの胸板に顔をうずめた。
マダラは愛おしげにツバキの頭を優しく撫でる。

「どうだった、二度もイった感覚は」
「〜〜〜っ、恥ずかしいから聞かないで」
「そう言われると意地でも言わせたくなるのが男だ」
「じゃあ疲れた」
「それだけか?啼いているお前の姿を幻術で見せてやっても良いが」
「ばっ、ばかっ・・・!・・・気持ち良かったわよ。疲れたけれど」
「いい子だ」

嬉しそうに笑って抱き寄せられて、ついでに触れる程度に口付けられる。
怠いし疲れたし何もやりたくなくなるがマダラが喜んでくれるなら悪くないかもしれない。無論たまになら、だが。
それに──

「ねぇマダラ、今のもう一度言って」
「今の・・・?“いい子だ”ってやつか?」
「ん。あのね、マダラの低くて艶のある声が好き」
「ククッ、そうか。ならば──愛している、ツバキ」
「んぅ・・・耳元で言われると体が疼くわ」
「・・・このまま二回戦目に行きたいところだが今回はやめてやろう。それで、返事は?」
「わたくしも愛しているわ、マダラ」

吐息を吐くように言ったツバキはそこで力尽きたように眠りに入った。緊張と疲れからか。
後始末をきちんとやってやりたいが自身も中々に気怠さが残っているのであって、結局用意されていた手拭いで最低限の箇所を拭ってやったところでマダラも眠りについた。



愛を酌み交す
(今度は互いの顔が見える距離で)

prev / next
[ back ]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -