「真っ赤なお髪の〜阿散井さんは〜いっつもみんなの〜わらいもの〜でもその年の〜クリスマスの日〜かわいい私が〜言いました〜暗いよ道は〜てかてかの〜斑目の頭が〜役にたつのさ〜」
「まさかの斑目!」
「いっつも泣〜いてた〜阿散井さんは〜やっぱり今年も〜なーいーてーまーすーイェーイ!」


――――


「ある〜日〜森のなか〜駒村隊長に〜であった〜花咲くもーりーのーみーちー駒村隊長に〜で〜あ〜あ〜たー」
「なんだよその歌…」
「いやいや想像してごらん?森の中にある花畑……。そこで満面の笑みで花をつむ駒村隊長……。そこに出くわす自分…。顔を真っ赤にする駒村隊長……。“頼む、誰にも言ってくれるな……”という台詞……。あまりの気まずさ…」
「ブフォッ!」


――――


「ていうかなんで眉毛まで刺青にしたの?バカなの?もしかしてかっこいいと思った?」
「うるせえな」
「え、だって眉毛といろんなとこ繋がっちゃってるわけだよね?普通に道歩いてたら皆怖がって避けるけどさ、心の中で脳内心配されちゃう系男子でしょ?」
「うっせえな、いちいちテメエはよ!気にいってんだからいいだろ!」
「そりゃあ今はいいけどね、この先何年もたっておじいちゃんになったらさ、皮膚ってのは否応なしに弛むわけ。いかに筋肉がある人間でも、皺がでるきわけ。したらあんたの眉毛とか、今は直線だからいいけどさ、たるんだら波打つんだよ?そこんとこわかって刺青にしたの?眉毛があの、ギザギザのフライドポテトみたいな。多分おばあちゃんの女子会で一番ネタにされるよね。『トメさんや、あの眉毛――』『おう知っとるわい』『ださいのう』『いうてやるなて、若気の至りというやつじゃ』」
「……玉蜀黍、やめてやれ……。阿散井泣いてんぞ……」