ルカくん暴走中










「ふふっ」



踏み出す足が羽のように軽い。
知らない間に頬が緩んで笑顔が溢れる。イリアにまた、気持ち悪いって言われちゃうかな。それでもいい。今はこの喜びを噛み締めていたい。だって、嬉しい。すごく嬉しい。




「エミル、喜んでくれるかな」



両手に抱きしめた紙袋を一層強く抱きしめると、さらに幸福感だけが積もる。ようやくやり遂げた。幸せ。きっとエミルもこれを見たら喜んでくれる。僕のためにありがとうって、きっと褒めてくれる。抱きしめてくれる。想像だけが膨らんで止まらない。このままだと頬が歪んで戻らなくなっちゃうよ!




「エミル喜んでくれるかな喜んでくれるよね絶対」




頬を赤らめながら愛しい彼の元目指して走り出す。紙袋は彼が抱き締める度に黒く染まっていって、指が一本ぽとりと落ちた。








はじめのいっぽ







ルカの様子が最近おかしいのだ。やけに機嫌が良く、常に笑顔で僕に話しかける。何かあったの。別に何もないよ。ルカの笑った顔はとても可愛らしい。けれどいつもと違う。拭えない違和感。彼は何かを喜んでいる。ねえ、ルカ。どうしたの?彼はキラキラと瞳を輝かさせて、頬を赤く染めながら口ごもる。何とか聞き取れた言葉は僕にとってとっても嬉しいものだった。実はプレゼントがあるんだ。受け取ってくれたら嬉しいな。僕が君からのプレゼントを受け取らないはずがないじゃないか。彼は元から赤い耳をさらに赤く、それから彼の頬と同じぐらい赤い(黒い?)紙袋を僕に手渡してきて。?。ルカの瞳はやっぱりキラキラしていて。僕の口から出たのはお礼でも、ましてや言葉ですらなかった。





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ルカくん大奮闘の巻


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