140字詰め(CP節操なし)
ツイッターにあげたものをまとめました。
※ドッピオ×ディアボロ
そいつは茶色の羽を綺麗にたたんでそっと壁にとまっていた。その羽はお世辞にも綺麗とは言えなくて特徴的な模様の不思議なものだった。(羽をとじるのはどちらだっけ)そう考えた僕はそれをずっと忘れていた。だけど今思い出した。羽をとじるのは蝶だ。その上品で下品な姿はひどく僕のボスに似ていた。
※露伴×仗助
早朝、まだ日も昇らぬうちに目が覚めた。時計の音と未だ慣れぬ他人の寝息が一定の時を刻んでいる。ベッドから身を起こすと、ずれた掛け布団から自分の体とともに裸の背中が見えた。十代半ばにしては大きなその体に赤い跡が散らばっている。妙に恥ずかしくなって僕は窓の外に目をそらした。
※露伴×仗助
曇り空からぽつぽつと雨粒が落ちてくるのを窓越しに見ていた。たぶんもうすぐあの男がやってくる。予想通りピンポンが鳴り、しょぼくれた顔をした少年が入ってきた。「露伴先生」そう言った彼が僕に何を期待しているのかはわかっているつもりだ。その期待に応える為僕は唇にさよならの4文字をのせた。
※露伴×仗助
曇り空の向こうから日がさしている。さっきまで牙を剥いて唸っていた男が「あ」と呟いて僕の肩越しに空を見る。つられて振り向くと虹が出ていた。二人して眺めているとしばらくして手を差し出された。なんだと目で言うと照れたような顔で帰りましょ、と言うので僕はフンと鼻を鳴らしてその手を掴んだ。
※花京院×ポルナレフ
7月7日は日本では彦星と織姫が1年に1度、天の川を越えて再会する日だと教えてくれたのは誰だったろう。俺の大切な人は川を渡ったきり1度たりとも連絡をくれたことはない。今年こそはと毎年期待するけれど夢にも出てきやしない。「花京院」そっちは暮らしやすいか、そう呟いて俺は星の川を眺めた。
※露伴×仗助
夏の強い日差しを浴びてなにもかもが濃い影を落としている。コントラストが目に痛い。立ち止まると、振り返った男が「なんスか」と声をかけてくるので「いや別に。気にせず歩けよ」と返す。暑苦しいボンタンを脱いで半袖シャツ一枚になった少年にはひどく夏が似合って、眩しくて目を眇める。ああ夏だ。
※仗助×億泰
「あっち〜」その言葉に帰ってくる声はない。なぜなら俺の相棒はこの茹だるような暑さの中、俺に寄っかかって爆睡しているからだ。すーすーと寝息が聞こえる。「億泰ゥ〜いい加減起きろよ、あっちーよ」そう言っても一向に起きる気配はない。俺は飛んできたトンボに目をやってひとつため息を吐いた。
※仗助×億泰
その後ろ姿を見送るのは何回目だろう、照れたように彼女と歩く背中を俺はいつも笑顔で見送る。うまく笑えているかはわからない。あいつが幸せになれればいい、そう願ってる。だけど反面壊れちまえばいい、なんておもう俺は本当に厭な奴だ。暑さにくゆる景色と共に溶けられればいいのに、そうおもった。
※仗助×露伴
早朝の透き通った空気を肺一杯に吸い込む。隣の漫画家は俺の横でバスを待ちながら不機嫌そうにしている。学校の取材をしたかったらしい。康一と。あからさまに不機嫌そうにされて不愉快だったので「先生」と呼びかけて振り返ったその顔にキスしてやった。目を丸くする露伴に満足して俺は笑ってみせた。
※承太郎×花京院
あれは星の綺麗な夜のことだった。花京院がぽつりと「ねえ承太郎、しっているかい」と言った。「何をだ」と返すと「魂の重さって21gらしいよ。だけど僕はその魂を君に抱えさせるようなことはしないからね」そう言ったあいつはとんだ嘘つきだ。今でも俺の中には花京院の21gがきえずに残っている。
※ドッピオ×ディアボロ
ボスの声はいつも近いようで遠い。その声を初めて電話越しでなく聞いたのは死の間際だった。彼の低い声は絶対的な自信に満ちて耳に心地よく低く響き僕を魅了した。ボス、僕はあなたのお役に立てたでしょうか?あなたのために生きること、それが僕の生き甲斐だった。せめて最期にあなたの幸せを願って。
※プッチ×DIO
ランプに照らされた彼は仄かに赤く光って、ひどくうつくしかった。僕はベッドに腰掛けて彼がこれからどうするのかを見ている。彼の睫毛が震えてまばたきをした拍子に涙が流れていくのが見えた。吸血鬼でも泣くのかい?そう聞くと、おかしいか?と彼は答えた。時々、昔のことを思い出すんだ。涙ってヤツは勝手にこぼれるからいけない。自分の体も思い通りにできない私は、よわいな、そう言って微笑んだ彼は今までで一番苦しそうに見えた。彼の心をそんなにも突き刺すなにかに僕はすこし嫉妬して、けれど今彼を癒せるのは僕だということに優越感を抱いて、そっと手を伸ばした。
※仗助と億泰
突然降り出した夕立に俺のダチ公は犬みてーにはしゃいで走り出した。「見ろよ仗助!これが噂のゲリラ豪雨って奴だぜ!」そう言ってびしょ濡れになるのも構わず踊っている。「なあ仗助、虹出るかな」その笑顔を見ていたら何もかもどーでもよくなって「出るんじゃねえか」と叫び俺も雨の中へ飛び出した。
※仗助×億泰
夕立に降られて駄菓子屋の軒先を借りて雨宿りをした。「駄菓子でも買ってくか〜」そう言って隣を向いたらおもいのほか億泰はそばにいて驚いて、ちょっとしたいたずら心でキスしてやった。そしたら億泰の野郎スゲー顔を赤らめるもんだからこっちまで恥ずかしくなってふたりして頬火照らしてうつむいた。
※露伴×仗助
夏だ。僕の家に勝手に涼みに来た仗助がランニング姿であっち〜などと言っている。僕はこいつが好きなのか?そう独りごちると仗助が「は?」と言って目を丸くしたちまち顔を赤らめた。それを可愛いと思った僕もきっと頭が湧いている。それはきっと夏の暑さのせいだということにして僕は仗助にキスをした。
※花京院×ポルナレフ
ポルナレフの頬に睫毛の影が落ちている。白い肌が赤く照らされて綺麗だ。きっと何年経っても僕は忘れないだろう、あのとき瞬きをしたポルナレフの美しさを。僕の視線に気づいたらしいポルナレフがこちらを振り返って早く寝ろよと言った。うん、と返した僕はその肌にふれる日を夢見ながら眠りについた。
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