Clap




ありがとうございました!





※DIOとジョナサン

流れゆく星を見ていた。今夜はいわゆる流星群というやつらしい。瞼を閉じて昔を思い出す。もうひどく遠い思い出だ。けれどけっして忘れることはない。青かった季節の思い出だ。あの男と過ごした7年間の思い出だ。あの日あいつはやけにはしゃいでいた。星が降るのだという。坊ちゃんはそんなことを気にする余裕があっていいなとひどく醒めた想いで見下していたら、あいつはディオも一緒に見ようよ、と言ってきた。なんでそんなもの、大体星ならおまえの背中にあるのを散々見てる、そう言い返すと体の痣とは全然ちがうだろう?と幼い顔の中でつよい意思を主張するようにしっかりとした眉を下げて困ったように少年は言った。今夜は特別なんだ、星がたくさん降るんだよ、その星のひとつひとつがもっと大きな星のかけらなんだって。父さんが言ってた。すごいとおもわないかい?ディオ、星は砕けても輝きを失わないんだよ。そう言って一緒に見ようね、約束、と勝手にゆびきりをしてジョナサンは一生懸命望遠鏡の設置をし始めた。砕けても輝きを失わない、か。それは大層立派なことだ。けれどオレはけっして砕けたりしない、いつまでも大きな光の塊のままでいてやる。そうおもったのを憶えている。そっと瞼を開ける。目の前にはあのときあいつと一緒に見たのとおなじ、流星の海が広がっている。オレはあのとき想ったのとおなじにまだ輝き続けているし、あいつは本当に砕けても輝きを失わなかった。あいつから貰い受けた背中の星を撫でてオレはここへ向かっているというあいつの子孫たちを想い、もう一度瞼を閉じた。




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