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また、涙がこぼれてく





例えば、仲間達の音楽を嬉しそうに聞くところとか。
例えば、そのお日様のような笑顔とか。
例えば―――愛しそうに私を見つめるところとか。


しあわせだとあなたは微笑むけど、それ以上にしあわせだと感じている私は一体どうしたらいいの?






―――ああ、もう。
好き過ぎて取り乱すなんてどうかしてる。
遠くに居たってあなたが笑ってるって分かるし、いつだって気にかけてくれてるって知ってる。
目と目が合えば嬉しそうに微笑んで私の名前を呼んだ。




「どうした?なんかあったか?」

「ううん。なんでもないよ」




そう答えれば「そうか」と大きな手で頭を撫でられる。
ぐしゃぐしゃに撫でて、そのまま乱れた髪を直すように梳いていく。そのリズムが均一で気持ちよくて自然と目を細めていた。




「ねぇ、ヨーキ」

「ん?」

「あのね…、大好き」




大きな手にすり寄るように言えば、ヨーキはピタリと動きを止めて驚いたように私を見つめる。
それにクスリと笑ってもう一度言うと「おれもだ、馬鹿」という言葉と共に腕の中に抱き締められた。
それがなんだか嬉しくて。
だけど、それと同時に目頭がツーンと熱くなるのを感じる。




「…ッ?!なんで泣いてんだよ」




え?泣いてるって、誰が?…私が?
手を顔に持っていくよりも早く、頬を包み込むヨーキの掌。
そしてその長い指に拭われるのは透明な雫。
はらはらと流れていくそれを何度も拭っていく。




「泣くなって」

「っ、とまら、ないの…ッ」




ちゅっとリップ音と共に彼の唇に涙が消えてぬくもりが残るけれど、その上からまた違う涙が流れ落ちる。
困ったように笑うヨーキが滲んで見えて申し訳なく思った。




「ごめ…なさッ」

「構わねェよ、お前なら」




クスリと笑うヨーキを見て大切にされてるんだなって、ぎゅうっと心臓が掴まれた。
ドキドキと鼓動する心臓がいつか壊れてしまうんじゃないかと心のどこかで思う。
でもあなたになら壊されてもいい、なんて…馬鹿みたい。


しあわせだと笑わないで。
笑顔で抱きしめないで。
愛してるなんて、言わないで。
嬉しくて泣いちゃうでしょう?


―――でもね。でも、私…。





「…すき…ッすき、なのッヨーキ…ッ」





そんな気持ちを込めて彼の名前を呼ぶと、嬉しそうにお日様の笑顔で微笑んだ。
引き寄せられた体はヨーキの体温に包まれて。
唇に触れるか触れないかというところで甘い声を囁いた。





「愛してる」





その言葉に続く自分の名前に、また恋という病気にかかってしまう。
あなたに愛されて私の心はおかしくなってしまったみたい。















また、涙がこぼれてく

(あなたの事が好き過ぎて)
(心が言うことを聞いてくれないの)


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いつも素敵な企画ありがとうございました^^*








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