拍手文ログ1 | ナノ
拍手文ログ1 主従セリフ20題(by#INCLUDE)
1.「私は……私の心は、あの方と、共に……。」
魂だけの存在になった今でも、自分の気持ちには嘘はつけない。
何時までも傍に居られる青銅達が妬ましいと何度思ったことか。
それでも、女神を愛しく想うこの心だけは、永遠に朽ちることはない。
そしてずっと貴女を護ります。
この気持ちには決して気付かないでください…我が主よ。
(黄金→沙織)
2.「貴女様がいなければ……私の生きる意味などありません……!」
冷たくなっていく女神を抱いて。ぬるり、と伝う赤すらも冷えて。…もう何も考えられない。
貴女を護る。それだけの為に生を受けた私が、どうして動かない女神をその手にしているのか。
「…女神…何故…私など庇って…!!!」
『良…かった…、もう失いたくなかったの…私の聖闘士…を』
それが最後の科白だった。命果てるまで女神は自分より私達を心配するなど…。
大罪を犯した私に貴女は“生きろ”とおっしゃった。それが罰だと。
でも。
主だけではなく、ただ唯一の愛しい存在すらも奪われた私にはどうしてもその罰を受けることは出来ません。
申し訳、ありません…。
(サガ→沙織)
3.「沙織、私が望むのは……あなた自身です。」
「カノ…ン…?」
今回の護衛は色々大変だった為、私は慰労の気持ちを込めて送った言葉。
『お疲れ様でした、カノン。何か欲しい物とかあります?それとも休暇の方がいいかしら…?』
そんな他愛も無い問いに、想定外の答えを口にした彼に私は上手く頭が回らない。
「え…。な、何を言ってるの…?」
それ以上は聞いてはいけない、と。警告音が鳴り響く。私は咄嗟に自分の耳を押さえたのだけど。
ゆっくりとカノンにその両手は奪われてしまった。
そして降り注ぐ甘美な口付けに逆らえず、私は彼の胸の中へと堕ちて行く。
「あなた以外に欲しいモノなどこの世にありません」
抗うことも出来たのでしょう。けれど私は…、それを心の何処かで望んでいたのかもしれないわ。
だって、この腕の中はとても温かいから……。
(カノン×沙織)
4.「ずっと一緒だって、約束したじゃ無いですか!」
そう言って顔を赤くし、膨れた頬に思わずこちらが笑ってしまう。どんな仕草であれ我が主は可愛くて。
くつくつと堪え切れずに格好を崩すと、益々女神は自分へと攻め寄って来る。
息が触れる程の距離に迫った女神に、一瞬躊躇する私の気持ちなど一切無視して。
「もう…イヤなんです!絶対守るんです!」
意識が朦朧としながらも何とか責務を果し、宝瓶宮へ戻って来ればそこには愛しい女神の姿。
思いの外、傷が多々ある身体を見て、焦りの声を上げ早々に私を看病してくれた。
女神の癒しを存分に受け、ほぼ完治した身を確かめるよう腕を回しそのまま立ち上がる。
その瞬間、先程の台詞を言われ腕を力一杯掴まれてしまう。
成程、どうやらこの可憐な女神はとんだ勘違いをしているようだ。また戦いに赴くと。
そう云えば、と。今回の任務の際に下された君命を思い出す。
『これからは、貴方達だけ傷付くことは許しません。ずっと…一緒に戦うの。だから簡単に“死”なんて選択しないように!』
美しくも凛としたその姿は正に戦女神。掌に存在する黄金の杖が眩しく光る。
「カミュの馬鹿!!どうしていつも無茶ばかり!」
回想に耽っていた自分に向けられた詰問の言葉に。じんわりと額に汗が滲んでくる。
「そう言われましても、ここから先は…」
「駄目です!!もう絶対離しませんからね!」
がっちりと利き腕を胸に包れてしまえば、もう女神の言うがままに行動するしかあるまい。
(貴女様が…望んだことなのですからね?)
この先にあるのは我が宝瓶宮の、湯殿ただひとつ。
此処まで来て、知って後悔した所でその華奢な躰は離しませんから。
どうぞ覚悟しておいて下さい…愛する女神。
(カミュ×沙織)
5.「どうしていつも、あなたは先へ行ってしまうんです……!残された私は、どうすればいいんですか……っ!」
再生を受けて、こうして貴女の傍に仕えることが、私の唯一の倖せだと。
そう、強く思っておりました。それは、絶対です。これからもそれは変わりません。
しかし…ッ!!
「さ、沙織……!!」
黄金聖闘士など名ばかりかと、自分でも情けな過ぎる声を発するのだけれど。
周りのうら若き女性達の歓喜の雄叫びに掻き消されてしまう。
(貴女は、世界屈指の財団令嬢でしょう!?どうしてこんな…ッ)
そう。ここは日本、東京の有名百貨店。
そして今日は年に一度のバーゲン。女性の戦場と化するこの場所で、サガは一人立ち尽くしていた。
「邪魔よ!!」
「前見えないじゃないの!!」
「こんな所で突っ立ってるんじゃないわよ!!」
「チッ…!」←舌打ち
数々の暴言、罵倒を浴びせられて、双子座の男は小宇宙を燃やす所か撃沈寸前。
(うう…これでは護衛にもならん…!かと言ってこんな密集地で力も出せん)
嫌な汗が全身から吹き出るのをサガは感じていた。戦いばかりだった彼の初めての経験だった。
俯き加減で額の汗を拭ったその時、可愛らしいハンカチが目前に差し出された。
「女神…!!」
「…しかし、何だってあのような場所へ?」
「え、だって…普通にしたかったんですもの」
「は…?」
「デートを、よ!」
そうにっこりと微笑まれて、その言葉の意味を悟った瞬間、顔が熱くなった。サガは緩む口元を手で慌てて覆う。
軽やかにリズムを刻む女神の歩みに、寄り添う彼の右手には戦利品、左手は沙織の愛手を絡ませて。
「しかし、それならもっと落ち着いた場所でも良かったのでは?」
「だって…やっぱり燃えるじゃない?」
「はぁ…」
戦女神を護るには、相当の覚悟が必要らしい…。
(サガ×沙織)