a dispute between the two(1/4)


矯声が響く。

狭い、部屋に。


断続的な喘ぎ声。

決して止むことはない。


「…っ…あ……」


ディオが恋人である明日叶の部屋のドアを開けると、そこにいたのは明日叶と、

普通ならそこにいるはずのない、慧。


「何やってんだ、ガッティーノ。」

「ディ…オ……!?」


目を見開く明日叶。

だが、慧が明日叶の身体を再び撫で回すと、甘い矯声が上がる。


「ん…やっ……」


明日叶の部屋のドアを閉め、

慧に組み敷かれ、上半身裸の明日叶の傍へとディオは寄る。


「藤ヶ谷……!」


低く、唸るようなディオの声。

次の瞬間、ディオは慧の制服のYシャツを掴みにかかる。


「何してんだよ、藤ヶ谷……!」

「やめろ、ディオ……!」


間に入る、明日叶。

もちろん、その明日叶の行為を恋人であるディオが良く思うはずがなくて。


「……お前こそ何やってんだ、明日叶。」

「それはっ……」


そっと拳を握りしめ、明日叶は下を向く。


「俺の目を見ろ、ガッティーノ。」

「……俺が」


声を絞り出すように、明日叶は口を開く。

もちろん、真っ直ぐにディオの目を見て。


「俺が慧のこと、何も解ってなかったから……だから……」

「そんなの理由になるかよ。」


同時に、ディオは横目で慧を睨み付ける。

睨まれても、慧は全く動じていない。




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