conscience


「慧、違う。そう、そのボタンでメール送信。」

「こう、でいいのか?」


慧が送信ボタンを押した数秒後、俺の携帯の着信音が鳴り響く。

サブディスプレイが刻む名は、もちろん慧。


「ほら、慧。届いたぞ。」


そう言って、慧に画面を見せる。


「明日叶、読んでくれ。」

「えっ?」

「だから、メール。」


慧に言われるがままに、受信したメールを開く。

内容は届いてから、ということで、俺は慧がどんな内容を打ったのかを知らない。


そこに書かれていた文字は――



『鋤だ』



――『好きだ』って打ちたかったのは解るんだけど、漢字変換がうまくできてない…!


「けっ、慧……」

「何だ。」

「あっ、あの……」


言おうと思ったけど、やめた。

そんな漢字変換がうまくできないところも、

何だか可愛く思えてしまう――…。


怒られると思うから、

そんなことは、口に出さないけど。


返信を打ち、慧の携帯へと送る。

そのメールを見た慧は、優しく俺を抱きしめてくれて

思わず、笑みがこぼれる。



『俺も、大好きだ』



不器用な慧が

狂おしいほど愛しい――…。




End



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慧のシークレットレポに書いてあった、明日叶と色違い携帯…!
2人が同じ携帯使ってるとこ想像すると、ニヤニヤしちゃいます(^o^)

読んでくださって、ありがとうございました!


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