※微裏とも呼べない微エロ
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「っ…ん、…くすぐったいです、一ノ瀬さん」
「…くすぐったいだけですか?」
そっとわたしの首筋に顔をうずめる一ノ瀬さん。
本当は、くすぐったいだけじゃない。
一ノ瀬さんが何かをするたびに、自分の身体に電流のようなものが走っていくのが判る。
「あ…一ノ瀬、さんっ…」
一ノ瀬さんに服のブラウスのボタンを外される。
その綺麗な指を見てると、何かいけないことを想像してしまうから、固く目を閉じた。
「んぅ…あっ……」
ブラウスを脱がされ、むきだしになるわたしの肌。ひんやりとした外気に触れて、軽く鳥肌が立つ。
下着の上からそっと上半身に触れてくる一ノ瀬さん。
一ノ瀬さんの手も冷たくて、余計に鳥肌が立った。
「はぁ…一ノ瀬、さん…いやっ……」
「嫌、ですか?」
本当に嫌なわけじゃない。嫌じゃなかったら触らせない。
だけど――…。
「春歌。怖い、ですか?」
ずばりそのものを言い当てられて、小さく頷くしかなかった。
――嫌じゃない。だけど初めてだから、どうしても恐怖心が拭えない。
「…わかりました」
観念したような、凄く優しい声がする。
一ノ瀬さんの方を見ると優しく微笑んで、ブラウスをわたしの肩にかけてくれた。
「あっ…あの…一ノ瀬さん……」
一ノ瀬さんの方を見るも、何だか申し訳なくなって、すぐに視線をそらしてしまった。
「大丈夫ですよ。待ちますから」
そう言って、そっと抱きしめられる。
その一ノ瀬さんの体温が心地よくて、わたしはそっと目を閉じた。
いつか来るその日を覚悟しながら。
大人になってしまう前に
(まだもう少し、このままでいたい)
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トキヤはきっとこんな紳士じゃない(笑)
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