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この熱は誰の所為?



※10万フリリク企画



「ねぇ、一ノ瀬くん。これから暇?良かったら、ご飯でも行かない?」

そう言いながら、ごく自然に私の腕に自分の腕を回してきたのは、先程までバラエティで共演していた女性アイドル。バラエティでも見せていた、満面の笑みを私のほうに向ける。

「…すみません。待っている人がいるので」

彼女の腕を軽く振り払い、彼女に向けて笑顔を作る。
――私に触れていいのは、「彼女」だけだから。



「ただいま帰りました、春歌」
「あっ、一ノ瀬さん!お帰りなさいっ!」

バタバタと音を立てて、走って玄関へと向かってくる春歌。笑顔で、乱れた髪を整える姿が何とも可愛らしい。

「……腕を組んでくれますか?」
「え…?」

突然のその言葉に疑問を抱かないわけがない。だけど、小首をかしげながらも、不思議そうに腕を絡めてくる。

「一ノ瀬さん…どうかしたんですか?」
「…なんでもありません」

欲しかったのは、あのアイドルの体温じゃなくて、いま隣にいる彼女の体温――…。

「…春歌。好きです」
「えっ…?どうしたんですか…いきなり…」
「言いたいから言ったんですよ」

そう言って空いているほうの手で彼女を抱き寄せる。
反射的に離れた腕。今度は腕だけではなく、身体全体で彼女の体温を感じられる。

「もっと、あなたを感じたい」
「えっ…?あのっ……」
「いいですか…?」

答えを待たず、そう言って、そっと彼女の白い首筋に顔をうずめた。



「…っ、ふ…、んんっ……」

キスをすると口の端から洩れる息。
なだれ込むように重なったベッドの上で、彼女のワンピースを脱がし、肌に吸い付く。

「…っ、あ…っん……」
「気持ちいいですか……?」
「っあ、んん……っ、はぁっ……」
「答えてください。…気持ちいいですか?」

そう少し強い口調で言う。手で口を覆いながら、コクコク頷く春歌。
本当は口に出して言って欲しかったけど、これ以上言うのも憚られたので、そのまま愛撫を続けた。

そっと足の間に手を伸ばす。
下着の上から、既に濡れているそこをしつこく撫でた。

「濡れてますね。触って欲しかったんですか…?」
「んん、はぁ…だって……」
「『だって』の続きは何ですか?言ってくれないとわかりませんよ」

そう言って、下着の横から指を入れる。
小さい水音と共に、彼女の中に入っていく指。ビクッと反応する、細い彼女の身体。

「指を動かして欲しいですか…?しかし…締め付けがすごいですね」
「一ノ瀬、さんっ…、ぁ…」

顔を真っ赤にしながら、恥ずかしそうに私の空いているほうの手に自分の手を重ねる春歌。
彼女なりの精一杯のおねだりなのだろう。

「わかりました…」

そう言って下着を脱がし、指の抜き差しを始める。指を増やすことと比例する水音。
恥ずかしいのか自分の顔を手で覆っているが、声だけはしっかり洩れている。

「んぁ、やっ…ぁ、んん……」
「すごく恥ずかしい音が聞こえますね」
「あっ…やぁっ……、っ」
「もっと、感じてください…」

それをしばらく続けると、そっと私を押しのけようとする彼女。
私を見るその瞳には、涙が溜まっている。

「どうしたんですか?」
「っ、あっ…もうっ…ダメ、です……」
「…ああ。イきそうなんですか…?」

触っていればイきそうなことくらい判るが、彼女の方から言ってほしかったから黙っていた。

「…いいんじゃないんですか?イったって」
「ダメ、です、っ…だって……」
「ああ。…私でイきたいんですか」

そう言って、中から指を抜く。愛液にまみれた指をそっと彼女の口につっこんだ。
赤い舌を見せて愛液を舐め取る彼女。ピチャピチャと舐めるときに立つその水音が、何ともいやらしい。

準備も整ったので、自身に避妊具をつける。
そして、耳たぶをそっと噛みながら、耳元で囁いた。

「入れますよ…」

片手を繋ぎながら、ゆっくり中へ入っていく。
すると、小さく声をあげる彼女。締まる結合部。
どうやら、入れただけで達してしまったようだった。

「いいんですよ。何回でもイってください」

肩で息をする彼女にそう声をかけた。

――好きです。

そう何度も耳元で囁きかける。
達したことで更に感じやすくなった、彼女の細い小さな身体をそっと撫でながら。


この熱は誰の所為?


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*あとがき*
10万hit第6弾!
たいへん遅くなってしまい、本当にすみませんでした…!
もっと裏っぽくしたかったけど、どうしても長くなってしまうので、今度リベンジしたいなぁと思います!
言葉責め…全くして…ない…

リクエストありがとうございました!
これからも、よろしくお願いします^^*

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