※10万フリリク企画
*
「んっ、はぁ……真斗く……」
「ハル…大丈夫だ。力を抜いて、全てを俺に預けろ……」
「っあ、…真斗くんっ…真斗くん……」
真斗くんの部屋に行って、いつかはそういうことになるって覚悟してた。
だけど、いざそうなると案外恥ずかしいもので――…。
「恐いですっ、ぁ…真斗くんっ……」
「大丈夫だ、ハル……」
恐くて、呪文のように彼の名前を呼ぶ。だってそうすれば少しだけ、不安がやわらぐから。
彼の指が、わたしに触れる。まるで何かを、確かめるように。
「っひゃ…、っ……」
「まだ触れただけだ。感じやすいんだな、お前は…。」
「…感じやすい…?、っ……」
わたしは真斗くんが初めてだから「感じやすい」というのがよく判らない。
何で、真斗くんは――…。
そんな思いも束の間、服を1枚1枚丁寧に脱がせて、改めて指がわたしの足の間に触れる。
どうしようもなく恥ずかしくて、真斗くんの手に自分の手を重ねた。
「ハル……?」
「あっ、あの……」
「大丈夫だ」
「でも…あっ、あの……」
「どうしたんだ、ハル……」
小さく息を飲む。
訊いてはいけない。そう私の中で警鐘が鳴る。
だけど聞かずにはいられない。たとえ傷つくことになっても。
「どうして…こんなに慣れてるんですか……?」
言葉の端が上手く出てこなかった。怖かったから。
私と真斗くんがちゃんと出会ったのは早乙女学園。
それ以前の真斗くんを、私は知らない――…。
もしかしたら誰か私の知らない人と付き合って、そういうことをしたかもしれない。
それは、もうどうしようもないって解ってるけど…何でだろう?嫌で嫌で仕方がない。
「ハル……」
「あっ…ごめんなさ…こんな、詮索するような真似……」
――どうしよう。泣きそうです……。
「すまない…」
「えっ……?」
「その…決して"慣れている"というわけではない」
「………?」
「……もし上手くできなかったら恥ずかしいだろう?」
――恥ずかしい?
真斗くんの言っている意味がよく解らなくて、黙ってうつ向いていると、真斗くんがまた口を開く。
「恥ずかしながら、お前とこういうことをするのを想像して、どうすれば良いのかいつも考えていた」
「それって……」
「ああ。もちろん俺はお前が初めてだ。だから、格好を付けたくてだな……」
少し、はにかみながらわたしを見る真斗くん。
嬉しくて、わたしも微笑み返した。
「真斗くん…ごめんなさい……。」
「どうした?」
「あのっ、あまりに真斗くんが慣れているので…そのっ…もしかしたら以前お付き合いしていた女性がいて、その人と…とか考えてしまって……」
「それは妬いてくれた、ということか……?」
――妬いた?
確かにすごく嫌だった。真斗くんが、わたし以外の人とこういうことをしていたかもって考えたら、どうしようもなく悲しくなってきて。
わたし、妬いてたんだ……。
口にするのが恥ずかしくて、ただ黙って頷いた。
すると真斗くんはギュッと痛いくらい抱きしめてくれて。
服を着てないために、いつもよりダイレクトに伝わる温もり。それが恥ずかしくて、でも嬉しくて、口元が緩んだ。
どちらからともなく身体を離したら、そっと再びベッドに優しく寝かされる。
すると伸びてくる真斗くんの、手。
「っ、はぁ……」
「すまない、ハル…。抑えられそうにないのだが……」
「真斗くんとなら…したい、です……」
「ハル……」
胸の突起に吸い付きながら、優しく足の間で指の出し入れをされる。
最初は痛みを伴ったけど、身体の奥が熱くなる度、痛みが和らいでいく。
だけど、和らいでいくのに比例して激しくなる水音。思わず、羞恥に目を瞑る。
「なぁ、ハル…。俺はもっとお前のことを知りたい……」
「わたしも…っ、真斗くんのこと、もっと…もっと知りたいです……」
そしてどちらからともなく口づけを交わす。
それが嬉しくて、言葉にしないと伝わらないことは沢山あると痛感させられた。
――恋がわたしをどうしようもなく貪欲にしていく。
真斗くんのことを全て知りたい。
過去も、そしてこれからも――…。
そんなことを思いながら、そっと真斗くんの背中に手を回した。
だってこんなにも、大好きなのだから。
触れなくちゃ伝わらないこと-----------------------
*あとがき*
10万ヒット企画第三弾!
遅くなって本当にすみません…!
嫉妬ネタだいすきなので非常に楽しく書かせていただきました(^o^)!!
リクエストありがとうございました!!
これからもよろしくお願いします^^*
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