take a long way



※BLにつきご注意を。
10万フリリク企画


2人きりの放課後の生徒会室。

好きで好きで堪らない兄さんと一緒。


「ねぇ〜、慧」

「これから先生と校内の巡回をしてくる。留守は頼んだぞ、那智」

「………。」


最近、慧はせんせいと一緒にいる時間が多い。

おれと慧は相思相愛なはずなのに、何でだろう。

どうして、こんなに不安になるんだろう――…?


「待ってよ、慧」

「ん?どうした?」

「おれのこと…好き?」

「なっ、何を言っているんだ!!」

「ねぇ、言って」


顔を真っ赤にしながら、わなわなと震えている慧。

わかりやすい、っていう言葉をこれほどまでに体言する人も珍しい。


言われなくても、解ってる。

慧がおれのこと、大好きなことくらい。

だけど、どうしようもなく困らせたくなる――…。


「なぁ、慧。すき?」

「すっすっすっすっ…」

「す〜?」

「…おっお前のことなど好きではない!」


顔を真っ赤にしながら、そう言い放って生徒会室を出ていく慧。

――もう、ほんとに可愛いなあ…。


そっと目を閉じる。

浮かぶのは、慧の顔。


早く戻ってこないかな。

早く、一緒に帰りたい。


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――ガタっ。

生徒会室の扉が開く音。

その音と同時に慧が戻ってきた。


「おかえり、兄さん」

「ああ。今戻った」


目を合わせずに、おれに背を向けて、帰り支度をする慧。

ふと、動かす手が止まる。


「那智……」

「……慧?」

「一度しか言わないからな」

「え……?」

「……好きだ」

「慧……」


嬉しくて、

思わず、慧を後ろから抱きしめた。


「なななな那智っ!!」

「おれも大好き……」


そう言いながら、慧の肩に顎をのせる。


――慧のことだ。

おれを「嫌い」と言ったことを、相当気にかけていたのだろう。


「慧、すき…だいすき」


慧からの返事はないけど、「好きだ」。

その一言が聞けただけで十分。


だって今は、

こうやってくっついて、

慧の温もりを感じることが出来るから。



End


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*あとがき*
ノリノリで書きました(笑)
10万ヒット企画第二弾!
やっぱり!わたしは!BLが!だいすきだ!

リクエスト本当にありがとうございました!
今年もよろしくです(^o^)

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