gお題 | ナノ

二番目でいいから



「瑛、くん……」

「どうした?お前…」


帰り道。


時間が合って一緒に帰ることはよくあったけど、

こうやって待ち伏せされるのは初めてだから

少しだけ、いつもと状況が違うのが判る。


「何でもないよ?瑛くん待ってただけ。」


――嘘つけ。


そんな顔して『何でもない』なんて

説得力の欠片もない。


「今日は志波と一緒じゃないのかよ。」

「あっ…志波くんなら……」


この歯切れの悪い感じ。

こいつが志波と何かあったのは、間違いない。


――関わりたくない。


「あっあのね…志波くん、ね……」


――言わなくていい。


「志波くんは…藤堂さんと……」


――聞きたくない。


「あのね……」


――どうでも、いい。


瑠宇の手を引き、そっと抱きしめる。

この間みたいに、瑠宇から志波の香りはしない。



「瑛、くん……」

「俺にしろよ」

「えっ……?」

「何で志波なんだよ……」


俺だったら、絶対お前にそんな顔させないのに


「お前の"二番目"でいいから……」

「瑛、くん……?」

「二番目でいいから傍にいさせろよ……」


返事は、ない。

だけど、瑠宇は俺の背に手を回した。


これはどういう意味なんだろうか?


どうしても

都合のいいように受け取ってしまう自分がいる――…。



To be continued...

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