gお題 | ナノ

残酷な無邪気さ



時として、言葉というものは人を傷付ける。

例え、相手にそんな気がなかったとしても――…。





「ねぇ、瑛くん。付き合うって難しいね……。」

「は……?」


――学校の帰り道。

今日も瑠宇は、オレを取り巻きの連中から助けてくれた。

その成り行きで一緒に帰っている。


で、今コイツなんて言った……?

"付き合う"……?


「瑛くん?聞いてるー?」

「えっ?あっ……。」

「付き合うって、どうすればいいのかなぁ?」

「え……?」

「あっ、あのね!私、志波くんと付き合う事になったんだ!」


そう言って、無邪気に笑う瑠宇――…。


付き合う……?

瑠宇が…志波と……?


昨日、告白されたんだーと嬉しそうに話す瑠宇。


その残酷さ――…

その残酷さにオレは恋をしている――…。



「でねッ、今度志波くんの誕生日なの!瑛くん良かったらプレゼント選び付き合ってくれない?」


――イヤだ。

イヤに決まってるだろ……?

好きな女の子が目の前で、恋人の誕生日プレゼントを選んでる。

恋人のことを、想いながら――…。


「瑛くん…。ダメ、かな……?」


――その顔。

その上目遣い。

反則だろ……。

そんな顔されて、イヤって言えるわけないだろ――…?


「……いいよ。」

「瑛くん、ありがとう!」

そう言うと、瑠宇はオレの腕にしがみついてくる。


――ほら、お前は全く解ってない。

オレの心についた傷。


憂鬱で仕方ない――…。

でも、瑠宇と出掛けられると思うと嬉しくて――…。


矛盾してる。


無邪気すぎる残酷さは時として、人を傷付ける。

でも時として、人を喜ばせる。


そう、今のオレのように――…。




To be continued...

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