gお題 | ナノ

これって何フラグ?



「なぁ。政経のノート見せて。」

「あっ、うん!いいよ!」


そう言えば、佐伯くんって昨日の政経の授業の時、保健室行ってたんだっけ……?

佐伯くんが保健室なんて珍しいな……。


「はい、どうぞ!」

「あぁ、ありがと。」


佐伯くんは、私のノートの昨日の授業分のページを開く。

すると、何を見たのか佐伯くんの眉間にシワがよった。


「佐伯…くん……?」

「何、これ……。」


そう言って、佐伯くんは私のノートのある箇所を指差す。


【\(^o^)/条約】


――しまった……!!

『オタワ条約』が『オワタ条約』にしか見えなくて、思わず書いちゃった箇所だ……!!


「なぁ、この顔文字…何?」

「えっえっと……オワタじゃなくて…オタワ!対人地雷全面禁止条約!」


必死に弁解するも、佐伯くんは不思議そうに私の方を見ている。


「じゃあ、オタワ条約とか対人地雷全面禁止条約って書けばいいだろ?何で顔文字なんて使ってるんだよ。」

「そっ…それは……!あっ、ホラ!一部の人にしか解らない特殊用語と言うか……。」

「一部の…人…?それって…針谷とかかよ?」

「えっ?何でそこでコウが出てくるの?」

「コウ……?」


睨み付けるように私を見る佐伯くん。

――こっ、怖い……!!

蛇に睨まれた蛙ってこういうこと言うのかな……!?


「何で針谷のこと『コウ』なんて読んでるんだよ。」

「あっ、この間言われたの。『特別にハリー様のことコウって呼ばせてやる!感謝しろよ!』って。」

「じゃあ…さ……。」


そう言うと、佐伯くんは首に手をあてて、何かを言いたげな顔で私を見てくる。


「佐伯くん……?」

「お前も呼べばいいじゃん。」

「……?」

「俺のこと、名前で。」

「えっ……?」


佐伯くんのこと、名前で?



瑛くん……


ダメだ……

今までふざけて何回か『テルたん』とか言ったことはあるけど、いざ名前呼びって案外恥ずかしい……!!


「て…て…瑛…くん……?」


そう名前で呼ぶと、佐伯くんの顔は真っ赤になっていって。

からかおうと思ったのに、からかえなかった。

だって、私の顔もきっと赤いから。


何でいきなり「名前で呼べ」なんて言ったんだろ…佐伯くん。


ねぇ、何で――…?




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