優先順位(1/7)



ただの教師と生徒。

おれ達は、そうじゃないだろ――…?







「真奈美〜!」


廊下で名前を呼べば真奈美は振り返って。

辺りを見渡して、人がいないことを確認すると――…。


「那智君!ここは学校なんだから!」

「いーじゃん、2人キリなんだし〜。」

「那智君……!」


キッと真奈美に睨まれる。

ほら、こういうトコ

ホントに先生なんだよなぁ……。


「真奈美…せんせい。」

「うん!」


すると満面の笑みでおれを見る真奈美。

――ホント、可愛いんだよな。


「で、那智君。何か用?」

「真奈美…せんせいは何してるの?」

「これから、ClassZの補習プリント作るの!」


最近……

いや、出会った当初からか……。

真奈美は聖帝学園1の落ちこぼれクラスの担任。


そんな彼女を持つおれにとって、甘〜い恋人同士の時間なんて存在する訳がない。




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