- ■2013/05/18 12:39[Sat]
- ※裏夢小説
響くはずのないところで、響くはずのない声が反響する。
「っ、ああっ、ぁ…青峰く、っ…」
バスケ部の練習が終わって、居残り練習。
誰もいない体育館。誰もいない体育倉庫。
そこで、青峰くんはわたしを求める。
「…うるせえ。声あげんな」
――わたしと誰かを重ねて。
わたしは青峰くんが好きだからこれで構わない。別に青峰くんが誰を好きでも、わたしと誰かを重ねていたって構わない。
それで青峰くんのそばに、いれるなら。
「青峰く…っ…」
「はあ…声、萎えるから」
――幸せってなんなんだろう
ふと、そんなことを考える。
好きな人と肌を重ねるのは、それはそれは幸せなことではないであろうか。
でも今この瞬間においては幸せな雰囲気なんて、ない。
わたしの中を動く彼の指は、ただの機械的な動作。
彼の欲望を満たすだけの通過点にすぎない。
「っ、んんっ、やぁ……」
「すげーえろい音だな。…淫乱」
そこに愛がなくったって身体は正直だ。
悲しいはずなのに、恥ずかしくなるくらいの水音が耳に入ってくる。
「…マジ淫乱」
耳元で囁かれる。
ゾクッとしたって。
「入れるから。壁に手ェつけろよ」
壁に手をつけて、彼に腰をつきだす。
いつもこう。
多分わたしの顔が見えないから、後ろからが好きなんだと思う。
なんの合図もなしに、後ろから彼が入ってくる。
「っ、ああっ!…っ…はぁ…」
「っ…ぅ……」
わたしの腰を抑えて、抜き差しを始める彼。
彼が激しく動く度に身体と身体がぶつかりあい、パンッパンッと音を立てる。
「ふぁ…あぁ…んんっ、ぁ…」
「っ、…マジ…やべ…」
青峰くんは、わたしを感じさせようとか気持ちよくさせようとかそういう気は全くない。
ただ本能のままに動くだけ。
「あ、っ、んんっ…ぁ…」
「ダメだ…っ…イく……」
絶頂を迎える直前、彼のものはわたしの中から抜き出される。
彼は自分の手のひらにそれをぶちまけた。
そっと彼にポケットティッシュを差し出す。
心の中で、大好きって呟きながら。
*
こういう雰囲気の話が大好き
青峰が誰を好きかはご想像にお任せします
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