すぐ増えたり減ったりします。
お好きなお題おひとつからどうぞ。
きみはひと匙の街をもっている | あなたの骨ばった身体のかたち | 幸いのわからないまま降る雨 | 裸足のふちまで満ちてくる明日 | 君と同じ街並みにまるくおさまることができたら | とけおちる輪郭のこと | 見分けのつかない天秤を産む
死角つかれる朝の五時 | うつぶせの星どもがまたたくので | 味爽の氷屑がこずえからふる迄 | 水に存えること | 綴るものをうまくなぞれれば | 留守にするからあとはよろしく | 夏をめぐらせる星 | あおい葉がうつす曲線 | 貝殻のなかに夕映えがたまる | きみのために夏を始めた
どちらかの銀紙に抱かれています | くちびるの死因 | 夜を裂いてつま先で結ぶ | メモリィ・イン・ザ・シェル | メモリィ・イン・ザ・プール | 貝殻にまかれる海のこと | 剥がれ落ちる爪さえ花びらにして
2015~2017
かくも醜悪な女神 | テーベに向かう切っ先をのみ込んで | 奈落の出会いを母と呼ぶ | スロー・チューズデー・ナイト | 椿の首をふたつ落とす | ベクシンスキーの苦痛とは | きみのためにあるかぎりの | 祈願のきれぎれ | 物語るように冷たくためらう | くらく思いにふけるとき | あのめくらのかき鳴らす歌 | もう寝返りもうてない | ステンレスの淵にあるあやうさ | 火をお持ちですか | しみゆく春ののちまでも | 直喩なら殺されました | 切り口にからから塗りこめる | 死にかけ図書館 | そこではすべてが台無しになる | ゴーストも夢をみる | ダイアモンド・スコール | ほんのしばらく祈らせて | 切実さを瞼に装って | なき声のサイレン響いてる | 燃え燦めく幸い | 頽廃を讃美 | 肌の窪みにおちる憎しみ | 小さくなれぬ果てのわたし