:

とりとめのない狂気
生まれてたった二日
苛烈な欲、あるいはかなしみ

インキ壺は海ほどかなしい
無意識の格子
狂いつつあるけもの
啼泣が救いになるいつか
白痴の子の節まわし

ふいにびょうと横殴り
怜悧ないつくしみにさされては
天秤の割れる夜
奇しくも奇跡しか起きない昨日
烈女の革命
ルバイヤート燃えてくれるかい
流れ弾だから貫ける


そのうちでは、なにもかも起こる
のぼりゆく天の原
うつしよのつま先
水を愛せば川でねむれる
脳髄をとらえる業深さ

こんなにもなめらかな哲学
とある色のあわいを
はき違えてくれればいいよ
鳩のためいき

手がとどかなくて困る
光をあびて狭くなる
鳥の掌をひらかせる
空気より抽象的な媒体

深淵めかした空漠
尾をひくクオリア
邂逅・戦慄・配列のスコープ
ラファティ・アングル
一瞬眼が燃えた

どうか、インクでは触れてくれるなよ、その海の言葉は手酷く塩辛い