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「トリュフのお返しだ。今日はホワイトデーなんだろ?」
「ホワイトデー…。それでわざわざ?」
ルカは目に涙を浮かべながら聞いて来た。
「お前だから、特別だ。」
俺が笑って言うと、ルカは涙を流した。
「ありがとう。」
サァーと風が吹いて花びらが舞う。
小さな声で言った言葉。
たった一言の言葉が嬉しかった。
いつの間にか、ルカの足元にはリスや鼠が集まっている。
その姿は、まるで泣いているルカを心配するかのように見えた。
これから何度だって此処に連れて来てやるよ。
俺とお前だけの場所へ。
END
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