大事件!3
(ルディ、遅いなぁ…まだかなぁ?
……あ、ルディは今僕のために一生懸命仕事を探してくれてるのに…僕は待ってるだけなのに…
ごめんね、ルディ…!
僕、おとなしく待ってるから…
頑張ってね…!!)
「お嬢さん、いい所にいきましょうね〜」
「ぇ…?」
カパエルが聞き覚えのない声に振り向いたと同時に、みぞおちに重いパンチが入った。
「うっ…!」
薄れゆく意識の中で、カパエルは自分が大きな麻袋に入れられるのを感じた…
*
「ぎ、ぎぇぇぇぇ〜〜〜!!」
「親方、どうしたんです?」
「このうすらばかめが!
おまえが連れてきた者を、近付いてしっかり見やがれってんだ!」
「え?この女がなにか…?」
ロイドは牛乳瓶の底よりもぶ厚いメガネをしっかりと装着し、今、かどわかしてきた女に近付いた。
「ぎ、ぎぇぇぇぇ〜〜〜!!」
「ん…?ここ、どこ??」
「ぎ、ぎぇぇぇぇ〜〜〜!!」
「ぎ、ぎぇぇぇぇ〜〜〜!!」
ロイドと親方のハーモニーは完璧だ。
「か、か、か、かっぱだ!
しかも、しゃべったぞ!」
「お、おまえ、人間の言葉がわかるのか?」
「わかるよ。
おじさん達は誰?」
「俺達は…ものすごく有名な悪党の一味だ!」
(……甘党の七味…?)
「甘いのに辛いんだね!
それはすごいね!!」
「……おまえ、何言ってるんだ…??
かどわかされたのに、俺達が怖くないのか?」
「カドワカス……?」
(……見ろよ、かっぱが悩んでるぜ。
あれは、ただのかっぱじゃない。あほのかっぱだ。
女をかどわかしてこいって言ったのに、かっぱだわ、しかも、あほだわ…
おまえって奴は本当にどうしようもない奴だな!!)
(そんなこと言ったって、あそこは暗かったし…)
(そのメガネ、度があってないんじゃないのか!?)
(じゃ、親方、メガネ代下さいよ〜…
最近、給料ったら野菜ばっかりじゃないですか!)
(先月はりんごもやっただろうが!)
(そういう問題じゃないでしょ!!
食べるもんじゃなくて、金を下さいって言ってんの!!)
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