大事件!3


(ルディ、遅いなぁ…まだかなぁ?
……あ、ルディは今僕のために一生懸命仕事を探してくれてるのに…僕は待ってるだけなのに…
ごめんね、ルディ…!
僕、おとなしく待ってるから…
頑張ってね…!!)



「お嬢さん、いい所にいきましょうね〜」

「ぇ…?」

カパエルが聞き覚えのない声に振り向いたと同時に、みぞおちに重いパンチが入った。



「うっ…!」

薄れゆく意識の中で、カパエルは自分が大きな麻袋に入れられるのを感じた…







「ぎ、ぎぇぇぇぇ〜〜〜!!」

「親方、どうしたんです?」

「このうすらばかめが!
おまえが連れてきた者を、近付いてしっかり見やがれってんだ!」

「え?この女がなにか…?」

ロイドは牛乳瓶の底よりもぶ厚いメガネをしっかりと装着し、今、かどわかしてきた女に近付いた。



「ぎ、ぎぇぇぇぇ〜〜〜!!」

「ん…?ここ、どこ??」

「ぎ、ぎぇぇぇぇ〜〜〜!!」
「ぎ、ぎぇぇぇぇ〜〜〜!!」

ロイドと親方のハーモニーは完璧だ。



「か、か、か、かっぱだ!
しかも、しゃべったぞ!」

「お、おまえ、人間の言葉がわかるのか?」

「わかるよ。
おじさん達は誰?」

「俺達は…ものすごく有名な悪党の一味だ!」



(……甘党の七味…?)

「甘いのに辛いんだね!
それはすごいね!!」

「……おまえ、何言ってるんだ…??
かどわかされたのに、俺達が怖くないのか?」

「カドワカス……?」



(……見ろよ、かっぱが悩んでるぜ。
あれは、ただのかっぱじゃない。あほのかっぱだ。
女をかどわかしてこいって言ったのに、かっぱだわ、しかも、あほだわ…
おまえって奴は本当にどうしようもない奴だな!!)

(そんなこと言ったって、あそこは暗かったし…)

(そのメガネ、度があってないんじゃないのか!?)

(じゃ、親方、メガネ代下さいよ〜…
最近、給料ったら野菜ばっかりじゃないですか!)

(先月はりんごもやっただろうが!)

(そういう問題じゃないでしょ!!
食べるもんじゃなくて、金を下さいって言ってんの!!)


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