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「フレイザー、疲れなかったか?」

「あぁ、俺なら全然大丈夫だ。
おまえこそ、顔色が悪いみたいだけど、馬車に酔ったんじゃないのか?」

「酔ってなんてないさ!
そんなことより、宿を……あ、あそこで良いか。」

ジャックは目に付いた宿を指差し、二人はその宿へ向かった。







「本当に大丈夫なのか?
食事もあんまり食べなかったじゃないか。」

「大丈夫だよ。
ここの食事は量が多過ぎるんだよ。」



食事をすませ、部屋に戻った二人は、各々のベッドに腰掛けて寛ぐ。



「寝るにはまだ少し早いけど…
フレイザー、何か飲む?」

「今は良いよ。
……それより、ジャック…あのさ…ちょっと話をしないか?」

フレイザーはジャックの態度を探るように、どこか不自然な笑顔を浮かべ、そう言った。



「話って…何の?」

「何って……あの…おまえ、ダルシャのことはまだ聞いてないよな?」

「ダルシャの事……って?
ダルシャのどういうこと?」

「だから……ダルシャが、なんで願い石を探してるのかってこと。」

「あぁ、そのことか。
それなら聞いてないけど、別に聞きたくもないよ。
どうせ、セリナみたいに切羽詰った問題じゃないんだろ?」

「そうだな…確かに、セリナのような問題があるわけじゃないけど、奴の悩みもかなり大変なことだぞ。
願い石でないとなんとも出来ないことだしな。」

「……どういうこと?」

「実はな…
ダルシャは呪いをかけられてるんだ。」

「呪いを…!」

ジャックの瞳が大きく見開かれ、フレイザーはそれを見て納得したように頷いた。



(やっぱりだ…
ジャックは「呪い」って言葉にかなり動揺した。
俺が考えた通り、ジャックも呪いをかけられてるに違いない!)



「で、でも、フレイザー。
ダルシャはどんな呪いをかけられてるんだ?
それに、呪いなら、かけた魔法使いに解いてもらえないのか?」

ジャックは、フレイザーの推察通り、さらに身を乗り出して興味を示した。


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