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「ほ、本当なのか!?
君は、本当に男ではなく女性だというのか?」

ダルシャの落ちつきをなくした質問に、ジャックは戸惑ったように一瞬考えていたが、やがて、ゆっくりと頷いた。



「……おいおい、驚かさないでくれよ。
全く気付かなかった…
君は少年なのだとばかり……
では、いつもフードで顔を隠していたのもそのせいだったのか?」

ジャックは黙って頷く。



「……あぁ、なんてことだ。本当に驚いた。
しかし、なぜ、男のふりなど…」

「……悪いけど…それは言えない……」

ジャックの見せた哀しげな表情から、ダルシャはその理由が辛いものだと悟った。



「そうか…わかった。
では、それは聞かないことにしよう。
いつか話たくなったら話してくれれば良い。
君が女性だと知っていれば、ラスターもこんな手荒な真似はしなかっただろうにな…
……それにしても、セリナ…君はすごいな。
よく気付いたものだ。」

「実は気付いたのはオスカーさんなの。
ジャックを運んで来る時に身体つきでわかったみたい。」

ジャックはその言葉に再び顔を赤らめた。



「……でも、このことは皆にはしばらく黙っててほしい。」

「皆って…フレイザーにも?」

ジャックは、小さく頷く。



「言った方が良いのではないか?
どんな事情があるのかわからないが、私達は仲間じゃないか。
君に困ったことがあるなら、私達が力になる。
さっきも言ったが、ラスターも君が女性だと知れば見方も変わるだろうし、エリオットも君が同性だと知ればもっと親密につきあえるようになるのではないか?」

「……しばらく考えさせて。」

「……そりゃあそうだな。
すぐに答えを出せないのも無理はない。
……それはともかく、私は廊下に出ているからセリナに謝ったらどうだ?
まだなんだろう?」

「良いのよ、もうそんなこと!」

ダルシャは笑ってセリナに向かって片目を瞑り、そのまま部屋を後にした。


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