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「遅くまでご苦労だったな、マルタン!」

屋敷に戻ったのは私が一番最後だったようだ。



「さぁ、母家に行こう!
めしの支度も出来てるらしいぜ!」

「待っててくれたのか。
それはすまなかった。」

私達は四人揃ってルイスの母屋を訪れた。



「おお、やっと来たか。
待ちわびたぞ。さぁ、早く中へ!」

ルイスが玄関で私達を笑顔で出迎えてくれた。



「今日は、本当に大変な一日だったが、皆、本当によく働いてくれた。
ありがとうな。
さぁ、思う存分食べて飲んでくれよ!」

「今日もすごいご馳走だな!こりゃ、うまそうだ!」

リュックが早速、テーブルの料理に手を出した。
私としては、食事よりも熱いシャワーを浴びて寝てしまいたい気分だったのだが、そうもいかない。
今日ほど忙しくはないだろうが明日も仕事はあるのだ。
出来るだけ栄養を採っておこうと、半ば無理やリに肉料理に手を伸ばした。



「しっかし、今日はびっくりしたよなぁ…」

「あぁ、ターナーのことじゃろ?
あんなことをした奴は初めてじゃ。
もちろん、あんな奴はもう二度と出場はさせないが、もしも、リカールがあの時ターナーの剣をかわすことが出来なかったらと思うと、寿命が縮まる思いじゃ。」

「ターナーは相当リカールに恨みを抱いてるみたいだったけど、二人の間に昔なにかあったのか?」

「なにもありゃせん。
ただ、ターナーという男は見ての通りの容姿じゃ。
顔は不器量だし、まだそんな年でもないのに頭が薄い。
そういうことでいろんなコンプレックスを抱えとったんじゃろなぁ…
そういうものが、美男子のリカールに対して邪な憎しみに変わったんかもしれんのう…」

「リカールもたまったもんじゃないな。
男前に生まれたのは奴のせいじゃないのに、そんなことで逆恨みされてもな。
これからは、対戦相手のことももう少し慎重に選んだ方が良いんじゃないのか?」

「それが、対戦者は予選を勝ち抜いた者ということになっておるからのう…
それに、ターナーもリカールと戦うまではそんなおかしなことをする奴には思えなかったんじゃ。」


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