朝起きて、登校して、小春に好きだと叫ぶのが俺の日課だ。

「小春ー!好きやー!」
「うるっさいねん近付くな」
「あぁ、今日もキレイやでぇ小春……!」
「…先輩、キモいっすわ」

たとえ光に罵られようが、謙也に全力で引かれようが、この日課はやめられない。何故ならこれが愛の証明だからだ!
小春の為ならどんな障害だって越えて見せるし、何をするにも恐怖はない。命を捨てることだって、小春の為なら俺には苦にすらなり得ない。

「あのねユウくん。ユウくんがアタシを好いてくれるのは嬉しいし、アタシかてユウくんが好きよ。でも、死ねるなんて軽々しく言わんでほしいの」

そう言われてしまった日もあった。本当に悲しそうに言われてしまったから、それから小春の前では「死ねる」と口に出さなくなった。

「けどなあ、死ねるってある意味最大の愛情表現やと思わんか?」

白石に相談してみると、仕方なさそうに苦笑をされた。信じて疑わなかった事を笑われて少なからず腹が立ったけれど、次の一言でそんな苛立ちは全部まとめてすっ飛んだ。

「小春はたぶん、そんな事言われるよりユウジが近くにおるだけで幸せなんやと思うで」

白石の話が終わるが早いか、急いで小春を探しに走った。あてもなく走り回るのじゃなく、確信に従ってただ一点を目指した。

「小春!ごめんな、俺、お前の気持ちいっこも考えてへんかった…!」

小春は部室に一人でいた。付き合い始めた頃に渡した、俺に似せたストラップをいじっていた。

「もう俺、変なこと言わへんから。ずっと小春のそばにおるからな!」
「何よ、今更気付いたの?」

本当にバカねと言って、小春は笑った。キレイな涙がひとしずく、小春の目からこぼれ落ちた。







ラブルスは癒される

2011/5/27
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