誰もいない部屋は不安になる。
 待つのはきらいだ。待たされている自分が惨めだから。
 小さな空間に一人でいる時間は、あたしをやわらかく、音もなく押し潰す。待っているのは自分だけだって、誰でもない誰かに諭されているようだった。
 また惨めなあたしになるのかな。そうかな。
 それならば、いっそ――。


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