「はっはっはー 吉田居るかー?」
「んだよDXF。まるで自分ちみたいに入って来やがって」
「お、吉田。今日もちっこいなー」
「うっせーなぁ。用がないなら帰れよな」
「用ならある」
「なんだよーーって、何するんだ!」
「いーじゃないか。お前暖かいから、こうやってると寒くないんだよ」
「厚着しろよ〜!! ひっつかれてたら遊べないだろ〜っ!」
「俺が遊んでやるって」
「誰がお前なんかと遊ぶかよ!どけよな!」

と、いうことで、今日も今日とて鷹の爪団のもとへ現れたDXF。
総統が居ないのを良いことに、お目当ての吉田に絡みっぱなしだ。
吉田も段々、抵抗するのが面倒になって来て、DXFに背中から抱き締められたまま、おもちゃの車で遊び始めた。

「なぁ吉田、俺ともっとイイコトして遊ばねーか?面白いぞ」
「"もっとイイコト"〜? なんだよそれ」

訝しげな目で吉田が見上げて来る。
DXFは、吉田からのそういう視線に慣れているので、怯まずに続けた。

「教えてやってもいいが、それにはまず、上着を全部脱がなきゃならない」
「な、なんだよその遊び…本当に面白いんだろうなぁ?」
「いーからいーから、とりあえずバンザイしてみ」
「? あっ!やめろってば〜!!」
「それ〜〜っ」

バンザイをした途端、DXFに上着を全て奪われてしまった吉田は、寒さのあまり、自らDXFに、抱き付いてしまった。

その時だった。

バァーーン!!

「な、ななな、何をやっとるんじゃー!!DXFー!!」

物凄い音をたてて、総統が帰って来た。
持っていた買い物袋を投げ捨てて、五十過ぎとは思えないスピードで、二人のもとへ駆け寄った。

「ーーチッ。うるせーのが帰って来やがった」
「そーとー!!DXFが、いたいけなぼくの上着を全部奪ったんです!寒いんでマントかして下さい」
「なにぃ〜?!わ、わしの吉田君になんてことををを〜っ!!とりあえずほれ、マントじゃ」
「ありがとうございます」
「吉田はお前のじゃねぇよぶわぁ〜か!俺様のだっつーの。ほら見ろ!俺に抱き付いてるだろ?」
「さみーんだよ!」
「どうでもいいから、吉田君を離さんかーい!」
「おい、あんま近付くとDXボンバー打つぞ!いいのか?」
「あ、ちょ、タンマ! ぐぬぬ…しかし、吉田君の貞操には替えられんか…!そりゃーー!!」

総統は、意を決してDXFの間合いに飛び込むと、吉田を背中から抱き締め、DXFから引き剥がした。
しかし、DXFもすかさず吉田をつかむ。

よって、空中で吉田を取り合うという、奇妙な図が完成してしまった。

「いたたたたた!やめて下さい二人ともー!」
「吉田君が痛がっとる…DXF、せーので離そう、せーので!」
「ぜってーやだ!その手に乗るかよ」
「いーから離さんかいこのぉお〜っ」


「ーあんっ///」
「「!!?」」

な、なんと、吉田の背中から引っ張っていた総統の手が、揉み合っている際に、吉田の乳首を擦ってしまったらしい。

吉田の可愛過ぎる喘ぎ声に、二人は驚いて吉田から手を離した。
そして、みるみる内に真っ赤になる吉田。
寒さからか、羞恥心からか、その身体は微かに震えていた。

「ふ…二人ともだいっっきらいです!!ヘンタイ!!」

そう叫ぶと、吉田は、総統のマントに身を隠しながら、自室へ閉じ籠ってしまった。

「すすすまん吉田くんんん〜〜っ」
「吉田〜っ悪かった!!」

その後小一時間ほど、吉田の部屋の前で土下座で謝り続ける二人が目撃されたとか。









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遅くなりまして申し訳ございません、
『総統vsデラで吉田くんの取り合い』
でした!

うちの吉田君は、結構振り回されて可哀想な立ち位置にいます。笑
こんだけオープンに取り合っても、吉田君は二人が自分のことを好きだと、気付いていないのでした。

かなりギャグっぽくなってしまいましたが、リクエスト、ありがとうございました!!



20140108
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