「ジャガーさん、おやすみなさい」
「おやすみピヨ彦。と言いたいところだが、」
「わ、どうしたの?ジャガーさん」
「やっぱり今日はピヨ彦と寝ることにしたー」
「えーなにそれ。珍しいね」

ジャガーさんがそんなことを言いながら、僕の布団へ入ろうとするものだから、僕はおかしくなってくすくすと笑いながらジャガーさんをきちんと布団の中に入れてあげた。

久しぶりに二人で入る布団はとってもあったかい。

「こういうのもたまにはいいだろ?」
「そうだね」

それから暫く僕らは静かに眠りにつくのを待った。
ジャガーさんの体温に、僕の意識は急速に遠退いて行く。

「――こ、なあ、ピヨ彦ー?」

そんな時、ジャガーさんの声がして遠退いていた意識が少し戻って来た。

「…ん…なに?ジャガーさん…」

僕はジャガーさんの言葉を待つけど、ジャガーさんはもぞもぞと動いて僕にひっつくのに忙しいみたい。
もう眼を開けるのも辛いくらいに眠くて、眼を瞑ったままの僕の耳を、ジャガーさんの吐息が優しく撫でた。

「ピヨ彦、すきだ」

僕の微睡(まどろ)んだ思考にその言葉は正常に伝わらなかった。
だって普段の僕なら照れてツッコミを入れちゃうけど、今日の僕は素直にただその言葉を受け入れていたんだもの。

「すき。だいすき。愛してる」

ああ…ああ、なんて心地いいんだろう、
ジャガーさんの声も体温も僕の腰に回された手も、全部。

もっとジャガーさんにすきって言ってもらいたくて、僕もジャガーさんにひっついた。

「ジャガー…さん」
「ピヨ彦、すき。すき。すき」
「…うん、ぼくも…すきだよ」

いま僕、恥ずかしこと言ってる。
でもいいんだ。今日は。今日くらいは。

こんな幸せのなかで眠りにつけるなんて、僕はなんて幸せ者なんだろう、

不意になにか温かいものが唇にふれた時、僕の意識は深い眠りの海へ沈んだ。


ねぇジャガーさん、
夢でまた、すきだって囁いて。






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20000hit記念アンケートでリクエスト頂きました『ジャガピヨ』でした!

如何でしたでしょうか…っ
なんだか甘くて書いた本人は恥ずかしくなっております…!笑

気に入って頂けたら幸いでございます。

それでは、リクエストとアンケートへのご協力、ありがとうございました!




20110305 夏那祈





 
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