今日はとても寒い日。
こんな日は我が鷹の爪団の誇れる戦闘主任、吉田くんに限る。
「吉田くん」
「ちょ、何ですか総統?」
塗り絵で遊んでいた吉田くんをぎゅっと背中から抱き締めた。
小さな吉田くんの体はわしの腕の中にすっぽりと収まって、
「うーん。やっぱり吉田くんは温かくて抱き心地良いのぉ」
「人を湯タンポ代わりにするなんて、酷いです総統!お代としてちゅーしてくれないと訴えますよ!」
「わ…わしはそれだけのことで訴えられるのかね!しかもお代にちゅーかの吉田くん!」
「当たり前ですよ!それくらいしてもらわないと戦闘主任としてのぼくのプライドが許しませんっ」
鷹の爪団の誇れる戦闘主任と言えど、プライドが高すぎるのも考えものじゃな…
普段は全然そんな風じゃないのにのぉ。
「う、うむむ…なんだか納得いかんが…」
「ほら、はやく。あと十秒以内にして下さい。十、九、八――」
ちゅっ
吉田くんに急かされて、わしは慌てて吉田くんの唇にキスを落とした。
「これでいいかね?」
「……////」
「吉田くん?」
何だか、吉田くんの体温上がったようじゃが、もしかして自分で"お代としてちゅーして"なんて言って置きながら、照れているんじゃろうか…?
俯いてしまった吉田くんを除き込む様にして見ると、鷹の爪団のカラーに負けんばかりに真っ赤になっているのがわかった。
ああ、可愛いのぉ。
ちゅーでこんなに真っ赤になるってことは、愛していると言ったらどうなるんじゃろう?
「吉田くん、ン、」
言い掛けた言葉は吉田くんの突然のキスで飲み込んでしまった。
惜しいことを、
じゃが、吉田くんからのちゅーは悪くない。
わしの服を吉田くんの震える手が握り締めて、その仕草の余りの愛しさに、再び吉田くんの背中に、力を込めて腕を回した。
これはもう、ちゅーと言うより長い長い深い口付け。
最後には温かいどころか熱くなって、二人して熱いと叫んで笑った。
寒い日には温かい戦闘主任を
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20000hit記念アンケートでリクエスト頂きました『総吉甘甘小説』でした!
吉田くんはまさか本当に総統がちゅーするとは思わなくて、恥ずかしさのあまり気が動転してちゅー仕返しちゃったのです!
きっと博士やフィリップが観ていたら、なんだあのバカップルはって感じだと思います(笑)
果たしてちゃんと甘甘になっていましたでしょうか…?
それでは素敵リクエストありがとうございました!
20110305 夏那祈